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水谷豊&反町隆史
『相棒−劇場版IV− 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』
去った人がいつ戻ってきてもかまわない世界がある
『相棒−劇場版IV−』水谷豊&反町隆史 単独インタビュー

取材・文:前田かおり 写真:平岩亨

7年前に英国で発生した集団毒殺事件と少女誘拐事件を発端に、東京のど真ん中で開かれる凱旋パレードの見物客50万人を標的にした無差別テロへとつながる大事件の犯人とその真相を追う。今や国民的人気シリーズとなった『相棒』の劇場版第4弾で、水谷豊ふんする警視庁特命係の杉下右京が鋭い洞察力と推理力を働かせながら、反町隆史演じる4代目“相棒”冠城亘と組んで事件の解明に尽くす。シリーズを背負ってきた主演・水谷が、新たに加わった反町とともに劇場版の撮影秘話と番組への熱い思いを明かした。

■杉下右京、走って、走って、走る!

Q:劇場版第4弾になりますが、右京は今までの中で一番走っていますよね。

水谷豊(以下、水谷):そうですね(笑)。最初の劇場版が2008年で、今回が2017年に公開。あれから9年、走り方は変わっていませんねぇ。

Q:ということは日頃から準備されているんですか?

水谷:いえいえ、準備は何もしないんですよ。ただ、「最近、右京は走っていませんねぇ」とか言われるので、今回は何としても走るぞという気持ちだけはありました(笑)。

Q:今回は右京にしては派手な立ち回りもあります。終盤は大奮闘ですよね。

水谷:そうですね。ネタバレになるのであまり言えませんけど、今回、冠城君からものすごく大きな声で「右京さーん」と呼ばれたのは、かつて『相棒』劇場版第1作のとき、亀山(1代目相棒)に「右京さーん」と絶叫されて以来、右京の人生で2度目なんです。叫ばれるような出来事が起きますからね。

Q:冠城は、season14からの参加ですが、ここまでがっちりと出来上がっている『相棒』ワールドに入るには、ハードルがかなり高かったのではないでしょうか。

反町隆史(以下、反町):2015年からの参加ですが、『相棒』には固いチームワークがあるので、当然プレッシャーはありましたけど、水谷さんが懐が深い方なのでうまく乗り越えられたかなと思います。スタッフが一致団結して、長い歴史を築いている。その中で僕も冠城として、右京に頼り頼られながら、これまでの特命係の雰囲気をかき混ぜて、いい化学反応みたいなものを出せたらと。

■史上最もダンディーな相棒コンビ

Q:今までの『相棒』コンビの中で、杉下&冠城は一番カッコいいというかスタイリッシュな雰囲気が出来上がっているように思うのですが。

水谷:右京は基本、英国的と決まっていますけど、冠城のスタイルは“反”(ソリ)の好みだと思います。

反町:冠城は元法務省のキャリア官僚から警視庁に飛ばされて、特命係に異動した東大卒の頭脳明晰な男という設定なんですけど、だからといって堅物というわけじゃない。どこかちょっとお茶目で女性が好きだったり、人間性みたいなものをファッションにも出してみたくて。

Q:そんな反町さん演じる冠城と右京のコンビネーションには、これまで組んできた過去の相棒たちとは違う、2人のテーマがあるのでしょうか。

水谷:我々の物語にはまず脚本があって始めるわけですけど、我々が演じたものを脚本家が見て、そこからまた次の脚本を書く。僕ら役者と脚本家が互いにキャッチボールしているわけです。おそらく、脚本家が「ソリが演じる冠城なら、右京とこんなことができる」と思って書くことが視聴者の方々にも新味に思えるのではないでしょうか。

反町:ですね。そして、劇場版ではまた違う脚本家(太田愛)がさらに膨らませる。そういった相乗効果が面白いと思います。

Q:ところで、役について二人で話すことは?

水谷:しないですけど、大体こういう世界に持って行けたらいいなという感じで持ち寄ってきているから、おのずとそういう方向性になっていくんですね。

Q:今回の映画では、その2人の関係が深まったということを感じさせるシーン、しぐさや会話があちこちに見受けられます。

水谷:そこは楽しみに観ていただきたいと思います。でも、僕たちは、右京と冠城が将来どうなっていけばいいかというような話し合いはしないんです。ただ、少しずつ2人の関係が変わっていく。その積み重ねが新たな味になって結果、魅力的な2人に見えればいいなと。

■反町は見た!水谷が右京に変わる瞬間

Q:水谷さんは『相棒』以外にも、さまざまな作品で唯一無二なキャラクターを演じられていますが、どこで『相棒』の世界へのスイッチが入るのですか?

水谷:僕は基本、ノースイッチなんですよ。気が付いたらそうなっているといいますか。

反町:客観的な立場から申し上げると、水谷さんが現場に入って、段取りをして、監督がカメラマンとカメラワーク等の打ち合わせをする5分ぐらいの時に、右京になっている気がします。セリフの言い方、言い回しや動き方など、水谷さんが右京に変わる瞬間。そういう時には、僕は水谷さんとしゃべりたくても、やめておこうかなと思います(笑)。

水谷:それはお互い様だって(笑)。ソリが冠城になる瞬間だって、僕も黙って見ています。僕と似ているよね、ソリも役柄と本人との間にあまり壁がないように思うけど、僕もなくて。自分と右京を行ったり来たりしています。だから、5分あるうちの3分でイメージできたら、あとの2分は雑談しているよね。

反町:ただ、僕は徐々に徐々に(役に)入る派なんです。水谷さんは長年ですから、ついさっきまでお饅頭の話をしていたかと思ったら、いきなり右京さんになっているという具合で!

水谷:ふふふふ、よく見ている(笑)。

反町:さすがだなと思います。

■再放送も観ています

Q:今回、これまでの『相棒』ワールドに関わって来た米沢守(六角精児)や、神戸尊(及川光博)も登場しますが、『相棒』の先輩である及川さんと作品について何か話されることはありましたか?

反町:特にありませんでしたが、見ていて、やはり右京と神戸とのやり取りには独特な間合いがあって面白いなと。米沢とのやり取りにもクスッと笑いました。

水谷:米沢は、今はもう右京とは絶対、関わりたくないわけで。自分の警察官生命が危うくなりますからね。でも、おそらく米沢は右京のことを大好きだし、右京もそこをわかっているんだと思います。その証拠に、今回も米沢にムチャぶりをしていますから(笑)。

Q:振り返ると、これまで個性的なキャラクターが『相棒』に登場して、反発しながらも右京を助けていますよね。

水谷:だから『相棒』ワールドでは今は出なくなった人たちも、その世界の中で生きている。そういう意味では、いなくなった人がいつ戻ってきてもかまわない、不自然ではない世界があると思っています。

Q:そんな『相棒』ワールドの住人となった反町さんは、今回の映画で『相棒』になれた実感はありますか?

反町:僕はまだ始めて2シーズンなので。ただ、一つずつ事件を一緒に解決してく中で、良きパートナーになって、いつか冠城が特命係を去る日が来た時に、「冠城って面白い人間がいたな」と右京に思ってもらえたらいいなと思います。

Q:『相棒』は国民的な番組になり、水谷さんにとって代表作に育ったわけですが、どう思っていますか?

水谷:俳優として、『相棒』という作品に出会ったことはとても大きなことで、それがこんなにも長く作っていられるというのは凄いことだと思っています。ただ、そうした中でも先に進んで行かなくてはいけない。だから僕はまだこのシリーズを客観的には観られないし、振り返って観るようなこともないんです。ただ、たまたま再放送が流れていると、観ちゃいますね。話は知っているのに、最後まで観ないと気がすまなくなるんですよ(笑)。

今や刑事ドラマの代名詞にまでなった『相棒』で、2000年の番組スタート時から17年かけて杉下右京という唯一無二なキャラクターを作り上げてきた水谷。国民的人気を得てもなお、新たな世界に挑もうと意欲を見せる。そんな水谷と組んだ反町は、今までのワイルドなイメージを抑えた演技もさることながら、インタビューでは軽妙なツッコミや相槌で、良き“相棒”ぶりを発揮。まさに新たな『相棒』ワールドを構築中の2人が、映画だけでなくテレビシリーズへの期待も膨らませてくれたひと時だった。

映画『相棒−劇場版IV− 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』は、2月11日より全国公開

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