ラウール～空気をガラリと変える表現者　圧倒的な華と存在感を兼ね備え、銀幕の世界へ

　映画で活躍する銀幕ジャニーズの俳優としての面に注目し、デビュー作から最新作まで、どんな俳優なのかを見ていきます。第24回は、Snow Man のラウール。（文・新亜希子）

　2015年、ジャニーズ事務所に入所し、ジャニーズJr.内ユニット・少年忍者での活動を経て Snow Man に加入。2020年1月22日にCDデビューを果たす。2021年7月9日公開『ハニーレモンソーダ』にて、映画単独初主演を務める。

映画初主演作：『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』（2020年12月4日公開）

　2020年の Snow Man 主演舞台「滝沢歌舞伎 ZERO」を映画化した本作は、映画用にすべて新たに撮影が行われ、ロケ撮影も実施された。Snow Man 全員で主演を務めたエンターテンメント作品だ。歌とダンスはもちろん、ハードな殺陣やアクションも Snow Man ならでは。滝沢秀明監督がこだわったカメラワークでは、舞台とはまたひと味違う魅力を堪能できる。

ドラマデビュー作：「簡単なお仕事です。に応募してみた」（2019年7月22日 - 9月23日）百本豪（モモ）役（当時16歳）

　「楽して稼げる簡単なお仕事」に興味本位で応募した3人の若者と、ラウール演じる新米ディレクターに襲いかかる「ヤバくて怖い」体験を描いた作品。Snow Man のメンバーであり当時ジャニーズJr.だった岩本照、渡辺翔太、目黒蓮とのカルテット主演作である。

映画俳優としての主な活躍：

　エンターテンメント映画『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』を経験しているものの、俳優としての映画単独初主演は最新作『ハニーレモンソーダ』である。

　鮮やかに染まったレモン色の髪、180cmをゆうに超す長身に、スラリとした長い手足。まさに少女漫画から飛び出してきたようなビジュアルとフレッシュな魅力を持つラウール。誰もが「かっこいい」と認める三浦界を演じるにあたり、監督ともディスカッションを重ね、自身のこだわりも大切にしながらキャラクターを作り上げたという。

　ラウールはもともと、ダンスの世界で“演じる”ことに触れてきた。先述した『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』の撮影においても、ダンスシーンでは自らの世界に没入し、その場の空気をガラリと変える。演技経験こそまだ少ないが、表現に関しては貪欲だ。加えて、観る者の目を奪う圧倒的な華やかさ、存在感を兼ね備えている。

　すっかり大人の表情を見せることも増えたが『ハニーレモンソーダ』のキャストのなかでは最年少。皆から「ラウちゃん」と呼ばれ、弟のように可愛がられていたという。いつかラウールがもっと大きな存在となって、本作を懐かしく振り返る日が楽しみだ。

最新作『ハニーレモンソーダ』（2021年7月9日公開）三浦界役

　原作は、村田真優による人気漫画。2020年には、集英社行の雑誌「Seventeen」にて「読者が選ぶ好きな少女マンガ＆実写化してほしいマンガランキング」1位に選出されており、ティーンから絶大な支持を得ている作品である。

　ヒロインの石森羽花（吉川愛）は「石」と呼ばれていじめられた中学時代の自分を変えるべく、自由な校風をもつ八美津高校に入学。誰より早く登校し「おはよう」の練習をしているところへ三浦界（ラウール）が現れ、練習に付き合ってくれることに。界は、トレードマークであるレモン色の髪と端正な顔立ちの人気者。自由奔放でそっけなく、つかみどころがないものの、優しい心をもった少年だ。自らを「石森係」と呼び、羽花の世話をやく界。2人の距離は次第に近づき、想いを伝え合うが、界には羽花に話していない秘密があった。

　共演には堀田真由、濱田龍臣、坂東龍汰、岡本夏美ら、話題作にひっぱりだこのフレッシュな顔ぶれが揃った。恋愛のときめきはもちろん、青春の甘酸っぱさや葛藤を描き出し、一歩踏み出す勇気をくれる作品。主題歌には、Snow Man の「HELLO HELLO」が起用されている。

フィルモグラフィー（映画）

『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』（2020年12月4日公開）

『ハニーレモンソーダ』（2021年7月9日公開）

フィルモグラフィー（ドラマ）

「簡単なお仕事です。に応募してみた」（2019年7月22日 - 9月23日）百本豪（モモ）役

「決してマネしないでください。」（2019年10月26日 - 12月14日）テレス役