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河瀬監督の出産シーンも映す『垂乳女(たらちめ)』が特別賞!【山形国際ドキュメンタリー映画祭】(1/2)

河瀬監督の出産シーンも映す『垂乳女(たらちめ)』が特別賞!【山形国際ドキュメンタリー映画祭】
賞金30万円の目録を高々と掲げる河瀬直美監督(山形市中央公民館) - 写真:中山治美

 10日、「山形国際ドキュメンタリー映画祭」の審査結果が発表され、インターナショナル・コンペティション部門に出品されていた河瀬直美監督『垂乳女(たらちめ)』が、特別賞を受賞した。河瀬監督は、1997年に映画『杣人物語』で同映画祭に参加しているが、受賞は初めて。

 同作品は、河瀬監督の養母(92)と息子の姿を描きながら、引き継がれていく“命”を見つめた39分の中編で、監督自身の出産シーンを盛り込んでいることでも話題になっている。その息子と夫の家族3人で山形入りしている河瀬監督は、今日はのんびり山形観光を楽しんでいたそうで、急きょ授賞式に呼ばれてやって来た。

 河瀬監督は「予期せぬ受賞でビックリ。この映画は子どものことだけではなく、かけがえなのない養母(92)の姿を記録した作品だけに、特別賞をいただけるなんて感慨深い。お婆ちゃんに良い報告ができます」と笑顔を見せていた。大賞に当たる「ロバート&フランシス・フラハティ賞」は、右派分子のレッテルを貼られた元女性記者が、名誉を回復するまでの30年の物語を追った王兵監督『鳳鳴-中国の記憶』(中国)。王兵監督は、2003年の第8回大会でも映画『鉄西区』で大賞を受賞しており、2回連続受賞の快挙となった。

 審査委員長の映画評論家・蓮見重彦氏は、約5時間の討論におよんだ選考結果について「今回のコンペ作のほとんどはビデオ作品。デジタルは多くの人を映画に近付けてくれたが、それによって作品に多様性があったかと言えばそうではない。テレビ的な作品が多く、映画独特の間などが喪失されつつある。そんな中、王兵監督は21世紀の可能性をかい間見せてくれた。それがわれわれの幸福だった」と語り、参加者の多くが「今年は低調」と嘆いていたコンペ作品に苦言を呈していた。

 同映画祭はこれまで、山形市が主催していたが、今年からNPO(特定非営利活動法人)として新たなスタートを切ったばかり。「チケットが取りにくい」「例年に比べ街に映画祭のポスターがなく寂しい」などいくつかの問題があったが、それも皆、同映画祭を愛するからこその叱責。次回、第11回大会は2年後の2009年。日本が誇る国際映画祭の火を燃やし続けて欲しいものだ。受賞結果は以下の通り。

【インターナショナル・コンペティション】

ロバート&フライシス・フラハティ賞(大賞)
王兵監督『鳳鳴-中国の記憶』(中国)

山形市長賞(最優秀賞)
ピエール=マリー・グレ『アレンテージョ、めぐりあい』(ポルトガル・フランス)


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