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デヴィッド・クローネンバーグに直撃インタビュー!放射能攻撃を受けた!?超ハイテンション!

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トロントが誇る奇才、デヴィッド・クローネンバーグ!
トロントが誇る奇才、デヴィッド・クローネンバーグ! - 写真:Nobuhiro Hosoki

 奇才デヴィッド・クローネンバーグ監督が映画『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に続いてヴィゴ・モーテンセンと組んだ映画『イースタン・プロミス』について語った。本作は、ロンドンの裏社会を舞台に、助産婦のアンナ(ナオミ・ワッツ)とロシアン・マフィアの一員であるニコライ(ヴィゴ)との奇妙な心のつながりを描いていくバイオレンス・ドラマだ。

映画『イースタン・プロミス』の写真はこちら

‐2度目のヴィゴとの仕事はいかがでしたか?

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(デヴィッド・クローネンバーグ)ヴィゴとのコラボはいつも素晴らしい。彼を出演させることは、ソロのバイオリン弾きを手に入れただけではなく、オーケストラ全体を手に入れたようなものなんだ。ヴィゴは題材について研究するだけではなく、われわれにさまざまな専門情報を提供してくれる優しい部分がある。ロシアの入れ墨に関して書かれた素晴らしい本を提供してくれたり、彼の友人が制作したというロシアの囚人を扱った作品を観せてくれたり……。囚人たちのサブカルチャーまで教えてくれるんだよ!

スティーヴ・ナイトが書いた脚本のどの点が気に入り、この映画の製作を決定したのでしょうか?

(デヴィッド・クローネンバーグ)ここだけの話、スティーヴがテーブルの下で大金を渡してくれたからさ(笑)! もちろん冗談だよ! まず第一に、この作品のロケーション設定にある。『ヒストリー・オブ・バイオレンス』を撮影していたトロントも同じで、今回のロンドンという場所も、それぞれ個人が持っている母国性が失われていないと感じたんだ。もう一つの点は、世界レベルで多発している小規模の犯罪組織にも触れてみたいという思いがあった。移り気な社会情勢とロケーションの持つ特有性に惹(ひ)かれたということだね。

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‐サウナでの格闘シーンについては、どういったアイデアをお持ちでしたか?

(デヴィッド・クローネンバーグ)格闘シーンについては、脚本に詳細が書かれていてね。ほとんど脚本通りといってもいいだろう。わたしは脚本をもらうと、最初に大きなペンで殴り書きをするように主点を決め、その後徐々に詳細を付け加えていくんだ。この格闘シーンもまったく同じで、ギャングの服装やら性格などから詳細を加えていって撮影に臨んだよ。

‐編集の際にカットされたシーンはありますか?

(デヴィッド・クローネンバーグ)もちろんいくつかあるが……。ほかの人間にいわせると、わたしはどうやら短い脚本が好きで、編集作業を一番楽しんでいるらしい。わたしは撮影に絵コンテを使わない主義で、常にどう編集したら素晴らしいシーンになるかを正確に理解しているつもりだ。だから今回の編集作業も3週間くらいで終わってしまったよ。よくDVDの特典で、カットされたシーンを見せたりするだろう? わたしにはその感覚がまったくわからない。もともと気に入らなかった映像だから作品に残らなかったわけで、それを見せたいとは思わないんだ。いつか無駄なシーンのない映画制作をしてみたいが、なかなか難しいだろうね。

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‐ちょうど撮影時期に、元ロシア情報将校のアレクサンドル・リトビネンコがロンドンで中毒死した事件がありましたよね?

(デヴィッド・クローネンバーグ)ふふふふ。知らないだろうが、あの事件を仕組んだのはわれわれなんだ! もちろん冗談だから聞き流してくれ。あれは確か撮影の半分くらいが終わったときだったと思う。わたしがロンドンでヴィゴたちとともに借りていたアパートの近くに、プーチン大統領と対立していた反対勢力の事務所の入ったビルがあったんだ。いつものようにその前を歩いていたら、そのビルの中にマスクをした科学捜査班の連中が入っていくのが見えた。事件は別の場所で起こったのだが、その事務所も捜査の対象になっていたようでね。今わたしがハイテンションなのは、放射能攻撃を受けたからなのかもしれないね(笑)!

 肉体とテクノロジーをテーマに、クローネンバーグ監督でしか語り得ない作品を発表し続ける奇才は、その作風からは想像がつかないほど気さくで明るい人物だった。数少ない映像作家であるクローネンバーグ監督の新作は、どのような世界観をみせてくれるのだろうか。日本公開がとても楽しみな作品だ。(取材・文:細木信宏)

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