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北野武監督、ヴェネチアで毒を吐くも、サインぜめにあう大人気!

第65回ヴェネチア国際映画祭

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サインぜめにあっている北野監督
サインぜめにあっている北野監督 - 写真:中山治美

 第65回ヴェネチア国際映画祭において、コンペティション部門出品作の北野武監督、映画『アキレスと亀』の公式会見が現地時間28日行われ、北野武監督と夫婦を演じた女優・樋口可南子が出席した。

映画『アキレスと亀』写真ギャラリー

 同作品は北野監督の長編第14作。売れない画家の真知寿(まちす)が、妻に支えられながらいつか夢をつかもうとする夫婦愛を描く。『TAKESHIS'』『監督・ばんざい!』に続く3部作の意味について尋ねられた北野監督は「『TAKESHIS'』はタレントとしての自分の葛藤(かっとう)を描いて、『監督・ばんざい!』は映画が当たらない監督の苦悩を描いたんですが、3作目は基本的にアートというのは成功しなくても、続けていくことだけが価値があるという話。前の2本が不評だったので、この映画の結末と同じで当たんなくてもいいやというのが結論です」と自虐的な発言を連発して会場を沸かせた。

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 一方、樋口は今回が海外の映画祭初参加で、シックな着物姿で登壇した。北野組初参加の感想について、「映画祭もイタリアも初めてで、今日はうれしくて。これも監督のおかげと感謝してます。が! 現場で何も注文されないので役者は戸惑うばかりで(苦笑)。何もおっしゃらない監督というのが一番手強い。毎日、何をやったらいいのか戸惑いとの闘いでした」とここぞとばかりに本音を明かした。

 また北野監督といえば、1998年に映画『HANA-BI』で同映画祭の金獅子賞を獲得しており、2度目の期待がかかるが「これまで4本出品中2本貰っている(『HANA-BI』の金獅子賞と『座頭市』の監督賞)ので、そんなに図々しいことを考えてない。いろんなことがあると死んでしまいそうで。でもコンペに選ばれるのは名誉だと思ってる。日本ではいろんな監督がコンペに出して落とされているのに、『映画祭に興味ない』なんて言ってるのを聞くと笑っちまいますね」と最後は毒を吐いて気持ちよさそうに会見を締めくくった。(取材・文:中山治美)

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