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黒沢清監督の『トウキョウソナタ』がニューヨーク映画祭で高評価!

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いまや世界の黒沢といえばこの人
いまや世界の黒沢といえばこの人 - Photo:Nobuhiro Hosoki

 映画『CURE キュア』『回路』などの黒沢清監督がニューヨーク映画祭(46th N.Y.F.F)に参加し、映画『トウキョウソナタ』の記者会見に登壇した。本作は水準の高いニューヨーク映画祭の作品の中でも、一番だと評価する批評家が多数おり、今後もさらなる日本映画の活躍に期待がかかった。

映画『トウキョウソナタ』

 これまでの作品と比べてユーモアがあふれていることについて黒沢監督は「コメディーという映画を作った意識はないのですが、目の前にあることを一生懸命に処理している姿って、見ようによってはおかしく見えるのかもしれませんね。場合によっては悲惨で重苦しいかもしれませんが……。ただ、わたしの中ではどちらでも構わないと思って製作しているんです。それに国によっても、上映場所によっても全然リアクションが違うんですよ。日本では、笑えると思っていたところで、誰も笑わなかったシーンがあったりしました。それとは逆に、カンヌ映画祭では笑うようなシーンではないところで、観客がゲラゲラ笑ってたりしました。ちょうど良いくらいのところで笑ってくれたらうれしいです」と語った。

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 日本の現状を知りたがっていたアメリカ人記者からは「この映画は、今の日本をどれくらい反映したものなのでしょうか?」との質問が。それに対して「かなり反映していると思っています。ドキュメンタリーではなくドラマですから、本当にこういったことはありませんが、十分に起こりうるということを前提で描いています。アメリカの軍隊に入隊するというところも、現実には起きていませんが、そういう状況下に置かれる可能性はありますから」とアメリカ人にとって興味深い発言をした。

 アメリカ人の観客から黒沢監督は、ホラー映画の監督として認識されているが「ホラー映画が大好きで確かに撮っていますが、ホラー映画でない作品もちょこちょこ撮っているんです。だから、ホラーしか撮らない専門家というような認識はないです。ここのところ何本かホラー作品が続いたので、今回はジャンル映画とは違った映画を製作しました。ただ、日本ではこういうことは自然なのですが、海外だとわたしがホラー以外の作品を撮ることに違和感を感じる方がいらっしゃるみたいです。さまざまなジャンルを撮ることは、日本では珍しくないんです」と日本人監督ならではのエピソードを語ってくれた。

 本作は、リストラされたことを話せない父親と、それぞれ悩みを抱える家族がたどることになる崩壊から再生への道のりを心温かく描いたヒューマン・ドラマ。出演には小泉今日子香川照之のほかに、ブラザー・トムの息子である小柳友が出演しておりカンヌ国際映画祭のある視点部門で審査員賞を受賞している。

(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)

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