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日系アメリカ人、ケリー・フクナガ、極悪なギャングを描いた映画が高い評価

日系アメリカ人、ケリー・フクナガ、極悪なギャングを描いた映画が高い評価
ケリー・フクナガ監督 - Photo:Nobuhiro Hosoki

 今年のサンダンス映画祭でドラマ部門の監督賞に輝いた日系アメリカ人のケリー・フクナガ監督が、受賞作『シン・ノムブレ』(原題)について語ってくれた。本作は、中央アメリカのホンジャラス共和国に住む少女が、アメリカでの生活を夢見て貨物列車に忍び込んだ矢先にギャングの青年と出会い、通過点であるメキシコを命がけで縦断することになるという物語。

 中央アメリカにはマラ・サルバトルチャという巨大なギャング組織があり、本作でも極悪なギャング活動が描かれている。製作前にどれくらいギャングのリサーチをしたのか尋ねると「まずは刑務所から始めたんだ。メキシコの大学で移民の研究をしている教授と知り合い、刑務所の看守を紹介してくれて獄中に入る許可を得ることができた。そして囚人の中でもギャングのリストをもらい、彼らと話すことになったんだ。驚いたことに、この連中はセンセーショナルな記事を探す記者たちのインタビューに慣れているせいか、興味深い話を繰り返ししてくれるんだよ。通う度に聞き入ってしまって、いつの間にか2年間もこの囚人達と交流していたんだ。お陰でギャング内部の隅々まで理解できたよ」と語った。

 国を越えての撮影を繰り返す状況について「国境付近の河を渡るシーンの撮影予定前日に、ギャングを演じる俳優の何人かは明日戻らなければならないが、一部の機材が未だ届いていないとアシスタント・ディレクターから聞かされたんだ。だから、使える機材で明日戻らなければならない俳優たちを先に撮り、翌日は増えた機材でダイナミックなショットを撮影しながら残った俳優達で誤摩化して撮影したんだ。実は、4ヶ月くらい掛けて計画していたクライマックスのシーンだったが、あるものだけで効果的な撮影をすることを学ばされたよ」と話してくれた。

 撮影中に身の危険を感じたことはあったか尋ねると「貨物列車での移動撮影だったから、3度この列車に乗ったよ。車だと6時間くらいで着く距離だが、列車だと丸一日掛かってしまうくらい遅いんだ。最初に乗った夜、僕らの前の車両から3発の銃声が聞こえてきた。すぐに列車も止まり、動き出すまで僕らは怖くて何もできなかったよ。翌日、ようやく前の車両に居た人に聞いたら、木の上に隠れていた山賊達が列車に飛び乗り、銃を突き付けて金を奪おうとしたが、一人の男が渡すのを拒否して銃で撃たれ、列車から放り投げられたらしいと話してくれたんだ。怖かったね、その時は! ただ、2度目に乗った時はクランクインしていてセキュリティも就いていたし、何の問題もなかった」と恐怖の体験を語ってくれた。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)


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