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手塚プロのハートをつかんだ『ATOM』の香港アニメーション会社イマジ・スタジオの創設者が激白!

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アトムのぬいぐるみを抱く、フランシス・カオ
アトムのぬいぐるみを抱く、フランシス・カオ

 手塚治虫の不朽の名作「鉄腕アトム」を長編CGアニメーション映画『ATOM』として現代によみがえらせたアニメーション制作会社のフランシス・カオが来日し、『ATOM』の誕生が、偶然のたまものだったことを教えてくれた。

映画『ATOM』写真ギャラリー

 カオはアニメーション制作会社イマジ・スタジオの創設者で、同社が製作する映画の最終決定を下せる立場の人物。『ATOM』では製作総指揮も務めたが、2000年に設立された新興のスタジオが、なぜ世界的に有名なマテリアルの「鉄腕アトム」の映画化権を射止めることができたのか? 「実は最初はソニーが権利を持っていて製作を進めていたけど、その企画が頓挫した。ちょうどその時期、僕はたまたまソニーのスタジオを訪れていて、この事態を自社にとってチャンスだと思ったのさ」と『ATOM』製作のきっかけがタナボタだったことを告白するカオ。「アトムはあまりにもアイコン的なキャラクターで、天下のアトムに手を付けるなど考えたこともなかったけど、これは食いつかないとダメだろうと思ったよ(笑)」と天から降ってきたような大チャンスに飛びついたという。

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 この大チャンスを逃がさぬために、カオは手塚プロダクションをすぐさま訪問した。「僕は手塚プロがソニーの仕事に対して不満があるだろうと勝手に思っていたので(笑)、弱小のイマジ・スタジオが何をアピールできるのかを考えた。手塚プロといいパートナーシップを築けるとか、香港の会社なのでハリウッドより原作に理解があるとか、いろいろと考えたよ」と自社のさまざまな長所を探した。ちょうどそのころ、イマジ・スタジオ初のCGアニメーション映画『ミュータント・タートルズ -TMNT-』を撮り終えた時期だったので、プレゼン資料は十分にあったという。カオいわく「手塚プロにとっては、リソースがたくさんあるハリウッドより、ハンドメイドな僕らのほうが原作を大事にしてくれると考えてくれたと思う」とのこと。このカオ自らのプレゼンが、手塚プロのハートを動かしたのだ。

 こうして『ATOM』は誕生し、手塚生誕80周年の最後を飾る超大作として、アメリカでは約3,000スクリーンという超拡大規模での公開が決定。イマジ・スタジオ最大の強みをカオは、「香港の会社なので、西洋と東洋の文化の架け橋になれるから」と分析する。今後も「ガッチャマン」「鉄人28号」など日本産の名作アニメーションの企画が進行中だが、「『ガッチャマン』では個ではなくチームワークを、『鉄人28号』では巨大なロボットに対する少年のあこがれといった、原作のテーマを損なわないものにしたい」と抱負を語る。ハリウッド大手スタジオの大味な仕事ではなく、原作を心からリスペクトするカオ。まずは『ATOM』で、その高い志を確かめたい。

映画『ATOM』は10月10日より全国公開

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