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なぜ、女だらけの映画に?世界的評価の高い男性監督「男性では伝えられない」

第22回東京国際映画祭

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複雑かつ、ユニークな作品です。
複雑かつ、ユニークな作品です。

 21日、六本木ヒルズ内のムービーカフェで、第22回東京国際映画祭のコンペティション部門出品作のスペイン映画『ストーリーズ』の記者会見が行われ、監督のマリオ・イグレシアス、主演のコンセプシオン・ゴンザレスが登場した。

第22回東京国際映画祭コンペ作一挙紹介

 劇中に登場する短編の主人公がすべて女性であるという特徴を持つ本作だが、男性であるイグレシアス監督がどのようにして女性のストーリーを作り出したのかと聞かれると、「わたしは常日頃から、自分のことを語るのに、女性の口を借りて言わせています。ただ、最終的な部分はわたしにはわからないので、女優さんの心理状態や感情の変化に合わせて、彼女ら自身が感じたことを一緒に表現できるように、演出には余裕を持たせておくんです」とその演出の秘密を語った。その言葉を受けてコンセプシオンは「男性に比べて女性の方が感情的な生き方をしています。自分を取り巻く世界を、感情として表現することで、男性では伝えきれないものも女性なら伝えられるんじゃないでしょうか」と女性の立場で付け加えていた。

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 2002年以来、短編映画の世界で多くの賞を受賞してきたイグレシアス監督だが、小説家志望の主婦であるロサリオを主人公とした物語の中に、彼女自身が生み出したいくつもの短編が挿入するという構成を持つ本作について、「最初は短編映画を作ろうと、いくつかストーリーを考えていたんですが、そのときに小説を書く女性の主人公を思い浮かべました。つまり彼女の小説として、今まで考えていた短編を登場させようと思ったわけです」とそのユニークなスタイルが生まれた経緯について教えてくれた。

 本作は、小説家志望の女性が執筆を通じて心の闇に立ち向かうさまを描いたドラマ。もの書きをしている主婦が通う心理セラピストに、出版社に作品を持ち込むべきだとアドバイスされるが、次第に恐怖や罪の意識などが沸いてくるという物語。物語の持つ力を見つめ直すと同時に、映画におけるストーリーテリングのあり方に新鮮な光を当てることに成功した、イグレシアス監督の演出にも注目だ。

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