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世界中でベストセラー「かいじゅうたちのいるところ」が、全米映画界でもナンバーワンに!-10月20日版

全米ボックスオフィス考

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「やったね!」「この勢いでいけるかな?」(映画『かいじゅうたちのいるところ』より)
「やったね!」「この勢いでいけるかな?」(映画『かいじゅうたちのいるところ』より) - (C) 2009 Warner Bros. Entertainment Inc.

 1963年に出版されて以来、子どもたちをはじめ、世界中の人々に愛されている絵本「かいじゅうたちのいるところ」の同名実写映画が、興行収入3,270万ドル(約32億7,000万円)を収めて今週の全米映画チャート王座に輝いた。また、去年と同時期の全米総合興行収入と比較すると、今週のボックスオフィスは38パーセントの売り上げ上昇といううれしいオマケまでついた。(1ドル100円計算)

 3,735映画館、推定5,000スクリーン(うち145スクリーンはIMAX)にて大型公開された、モーリス・センダック原作の映画『かいじゅうたちのいるところ』は、世界中でその原作絵本が約2,000万冊という売り上げを示しており、このたび公開された実写映画のほかに、短編アニメやオペラにもなっており、まもなくゲームとしてもお目見えする予定である。週末に、ワーナー・ブラザーズが行った観客調査によると、43パーセントが18歳以上という結果で、14パーセントが12歳から17歳の子どもたち、そして27パーセントが12歳以下の子どもを連れた親(12歳以下は16パーセントを占めた)、そして全体の55パーセントは女性客という統計が出された。

 第2位は、初登場の映画『ロウ・アバイディング・シチズン』(原題)で2,104万ドル(約21億400万円)の売り上げ。2,890映画館、3,600スクリーンで公開されたジェラルド・バトラージェイミー・フォックス主演のこの作品は、敵討ちを扱ったアクションもの。2003年の映画『ミニミニ大作戦』、2005年の映画『Be Cool/ビー・クール』以来久々にメガホンを取ったF・ゲイリー・グレイ監督の作品である。ちなみにオンラインの映画ファンの批評を見てみると、平均Bというまぁまぁの評判だ。

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 第3位は、先週の第4位からジリジリと上昇した映画『パラノーマル・アクティビティ』(原題)で1,962万ドル(約19億6,200万円)。先週と比べて、上映館が多くなったこともボックスオフィスの成績に拍車をかけたものと見られる。同作品は今週、1,000館未満の劇場で上映されている作品の売り上げにおいて、歴代の第4位という栄誉も獲得した(ちなみに第1位は、映画『ハンナ・モンタナ/ザ・コンサート 3D』、第2位は映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』、第3位は映画『華氏911』)。

 第4位は、先週の第1位から大きく転落の映画『カップルズ・リトリート』(原題)で1,723万ドル(約17億2,300万円)。公開後10日間のトータル売り上げは6,260万ドル(約62億6,000万円)。推定製作費用が7,000万ドル(約70億)といわれているので、もとを取るのにあと一息……といったところだ。

 第5位は、今週デビューしたにもかかわらず低迷してしまった映画『ザ・ステップファーザー』(原題)で1,158万ドル(約11億5,800万円)。リメイクのリメイクで、いくら何でもガス欠気味。デビュー4週目にして第3位と元気な『パラノーマル・アクティビティ』(原題)のツメのあかが欲しいところである。

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 次回のランキング予想だが、今週末はデビュー作品の数が異様に多い。ハロウィーン定番のホラー映画たちが上位に食い込んでくるだろう。まずは、映画『ソウ6』(このシリーズが、パートいくつまで続くのかを賭けてみたくなる……)。同じくホラーで、地方の映画祭などで盛り上がり気味の映画『アンチ・クリスト』(原題)がライバルで初登場するが、すでにブランドものになっている映画『ソウ』シリーズに歯が立つのだろうか。

 週末デビュー作品に、私情が入ってしまいそうなホラー・ファンタジー映画が一つある。映画『サーキ・ド・フリーク:バンパイアズ・アシスタント』(原題)というタイトルの作品だが、実はこれは「ダークなハリポタ」という異名を持ち、世界中で翻訳され静かな人気を呼んでいる「ダレン・シャン」という小説シリーズの映画化なのである。若者を対象に書かれた小説だが、ストーリー、描写ともに非常に良くできており、著者で小説のタイトルでもあるダレン・シャンのファンは、世界中に散らばっている。原作が映画になると聞いた数年前より完成を楽しみにしてたダレン・ファンは、映画『トワイライト~初恋~』を履き違えたような予告編を観て、すでに原作が破壊されていると確信。ガッカリ感全開中である。バンパイア人気に乗って、果たしてチャートをどこまで上がれるか……?

 ホラーが苦手な映画ファンには、恐らくトップ5には入るであろうヒラリー・スワンクが世界初の女性飛行家アメリア・イアハートを演じる映画『アメリア』(原題)、日本が誇るアニメ「鉄腕アトム」をCGIアニメ化し、ニコラス・ケイジなどの人気俳優を声優として迎えアメリカ版にした映画『ATOM』、ユマ・サーマンがボロボロのシングル・マザーを熱演する映画『マザーフッド』(原題)などがある。

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