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市民じゃなくて銀行にすべてを握られている資本主義って何なんだ?-マイケル・ムーア×是枝裕和監督対談(1/3)

市民じゃなくて銀行にすべてを握られている資本主義って何なんだ?-マイケル・ムーア×是枝裕和監督対談
是枝裕和と来日中のマイケル・ムーア

 鋭い視点でアメリカの経済問題に切り込む映画『キャピタリズム マネーは踊る』のマイケル・ムーア監督が、来日時に『誰も知らない』『空気人形』の是枝裕和監督と都内で対談したときの模様をご紹介する。二人はともにカンヌ映画祭で会っていて面識があり、「お久しぶりです」の言葉から始まり、話は映画のことや政治のことにまでおよんだ。

■本当の民主主義って何だ

マイケル・ムーア(以下M)『誰も知らない』は本当に力強い作品だし、物語も出演者も素晴らしかった。

是枝監督(以下K) ありがとうございます。監督の新作『キャピタリズム マネーは踊る』も拝見しましたよ。

M 本当に? ありがとう。

K  先日、ちゃんと自分でチケット買って見ました(笑)。平日の13:20の回を観て、年配の方が多かったですが、大変面白かったです。経済の話ももちろん面白かったけれど、それ以上に「民主主義ってこういうことなんだ」って非常に的確に語っていて、それが興味深かったです。結局、日本もアメリカも「ちゃんとした民主主義」というのは機能していないんだなって。

M 市民が選んでいるんじゃなく、銀行にすべてを握られている資本主義体制っていうのは、民主的じゃないからね。

K  僕もそうだけど、少しでも弱者寄りのことを言うとすぐに左翼だって言われてしまう(笑)。映画の中でシュワルツェネッガーが「銀行を救うなって言うヤツは社会主義者だ」って言うけれど、資本主義を批判するとすぐに「共産主義者だ」「社会主義者」だと言われてしまうのは「正しい民主主義」を経験していなくて、「ナショナリズム」か「コミュニズム」しか判断基準がないんじゃないかと。アメリカ人も日本人も、そういう価値観の中にしか生きてこなかった。単に経済のことを描いた映画じゃなくて、実は民主主義の映画なんだなって気付かされました。

M まさにそのとおり。それこそこの映画で言いたかったことだ。自分の願いとしては、今の「完全じゃない民主主義」をもっと良くしたいと思っているんだ。

■日本の憲法はアメリカから与えられた

K  映画の中で日本のことにも触れているじゃないですか。日本の憲法はアメリカから与えられて非常にリベラルなものではあるけれど、ナショナリストからすれば、その「与えられた」ってことが非常に癪(しゃく)なわけですよね。しかも社会的弱者とされる人たちは、実は日本の憲法が自分たちの武器になることさえ知らない。学校教育の中でもちゃんと教えられてきたことがなくて、非常にもったいないことになっているんです。


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