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なぜハリウッド映画がダメなのか?名脚本家たちが赤裸々に語るドキュメンタリー

なぜハリウッド映画がダメなのか?名脚本家たちが赤裸々に語るドキュメンタリー
ピーター・ハンソン監督 - Photo:Nobuhiro Hosoki

 ハリウッド映画界で脚本家たちがいかに虐げられているかを名脚本家たちが赤裸々に明かすドキュメンタリー映画『Tales From the Script』(原題)の監督、ピーター・ハンソンに話を聞いた。

 フランク・ダラボン(映画『ショーシャンクの空に』)、ポール・シュレイダー(映画『タクシードライバー』)、ブルース・ジョエル・ルービン(映画『ゴースト/ニューヨークの幻』)、ジョン・オーガスト(映画『チャーリーとチョコレート工場』)ら一流脚本家たちがインタビューに応じている。

 ほとんどの製作会社や配給会社が映画を専門としていない親会社の傘下にある中で、この状況が脚本家たちに多大な影響を及ぼしているという。「配給会社は、製作に投じた投資額を守ることに必死。だから製作される映画が、誰が観ても理解できる単純なストーリーになってしまうんだ。必然的にオリジナリティーあふれる脚本が支持されなくなっている」と分析するハンソン監督。

 1990年代にほとんどのハリウッド映画大作を手掛けたといっても過言ではないジェリー・ブラッカイマーとドン・シンプソンのコンビ。彼らはよく脚本家に破格のギャラを支払っていた。しかしそれは内容の良し悪しではないらしい。「例えば映画『クリムゾン・タイド』だ。ジーン・ハックマンは当時売れっ子で、なかなかキャスティングが難しかった。だからブラッカイマーとシンプソンのコンビは脚本家に高額のギャラを払って、役者たちにその脚本がそれほど価値のある素晴らしいものであるという印象を植え付けた。その方法で有名どころの俳優たちをキャスティングすることができたのさ。必ずしも良い脚本でなくても、彼らはそういうゲームプランを持っていたんだ」と内情を明かす。

 多くの脚本家は、脚本が買収されたことに満足して契約を結び、その後発言権を持てなくなってしまうことが多い。その点についてハンソン監督は「プロデューサーが欲しているものを書くのが脚本家の仕事だと思っている人が多い。要するに金さえもらえばOKという人が増えているんだよ」と苦言を呈する。

 ハンソン監督自身も「これまで人が好みそうな脚本を書いてきたが、これは絶対に映画化しなければいけないというものは書いてきたことがなかった」と妥協を告白する。「単純だが、自分が一番観たいと思っている映画を製作すればいい」と語るが、単純なことが一番難しいのだと思わされた。本作は、ハリウッドでの脚本家の扱いがどういったものかがよくわかる重要なドキュメンタリーだ。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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