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スパイク・リー監督、最新作はハリケーンに襲われた街を追ったドキュメンタリー!監督の心境に起きた変化とは?

スパイク・リー監督、最新作はハリケーンに襲われた街を追ったドキュメンタリー!監督の心境に起きた変化とは?
スパイク・リー監督 - Photo-Nobuhiro Hosoki

 映画『マルコムX』『セントアンナの奇跡』など映画を通して社会問題を世に問い続けるスパイク・リー監督が、ハリケーンに襲われたニューオーリンズの街をドキュメントした新作テレビ映画『イフ・ゴッド・イズ・ウィリング・アンド・ダ・クリーク・ドント・ライズ / IF God Is Willing And da Creek Don't Rise』(原題)について語ってくれた。

 本作は、リー監督がハリケーン・カトリーナの被害の実態に迫ったドキュメンタリー映画『ホエン・ザ・リーヴィー・ブローク: ア・レクイエム・イン・フォー・アクツ/When the Levees Broke : A Requiem in Four Acts』(原題)から4年、その後のニューオーリンズの様子や、新たに発生した問題を描いた約4時間に及ぶ全力投球のドキュメンタリー作品だ。

 被災後の街の様子についてリー監督は、「初めてニューオーリンズを訪れた2005年は、まるでスピルバーグが地球の最後をテーマにした映画を作ったらこんなふうになるんじゃないかというくらいひどい状況だった。それまで、新聞やTVで観ていたものとはまったく違った現実があったんだ」と振り返り、メディアが報道したものと現実とのギャップにがくぜんとしたという。あれから5年が経った現在も建物や家の修復は進んでおらず、避難民も帰って来ていないことにリー監督は遺憾にたえない様子だった。

 さらには今年4月に起きたメキシコ湾での原油流出事件で、ニューオーリンズのあるルイジアナ州は、新たな問題を抱えることになった。リー監督は、「現在、流出した原油は、回収や自然分解で7割が消滅したとされているが、1989年にアラスカ州で起きた同様の事件が今も問題を抱えているというのに、わずか3ヶ月ちょっとで、問題が解決しつつあるとは信じられないね」と報道と政府の対応に納得していないようだった。

 インタビューの最中にも時々声を荒げるなどして感情をあらわにしたリー監督だったが、ニューオーリンズについてのドキュメンタリー作品を2本制作したことで、「2005年までは環境問題に関して特別なことをやっていなかったんだが、それ以降はリサイクルや省エネを心掛けているよ。多くの人たちは、今さらと思うかもしれないが、僕を含め多くの黒人は、環境問題に関しては、少し遅れをとっていると思うんだ。これからは、自分たちの子供のためにも、やれることをやらなければいけない」と価値観にも変化が訪れたようだった。

 本作は、アメリカでも劇場上映されず、テレビのみの放映となるが、リー監督の今のすべてが詰まった作品。社会問題から目を背けることなく取り組み続けたリー監督だからこそ撮ることのできたドキュメンタリーに仕上がった。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)


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