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フランス史の暗部に触れたクリスティン・スコット・トーマス主演作に観客が号泣【第23回東京国際映画祭】

フランス史の暗部に触れたクリスティン・スコット・トーマス主演作に観客が号泣
もらい泣きするジル・パケ=ブランネール監督

 26日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催中の第23回東京国際映画祭コンペティション部門に出品されている映画『サラの鍵』上映後にティーチインが行なわれ、ジル・パケ=ブランネール監督が登壇。映画鑑賞後で涙を流す観客に思わずもらい泣きするという一幕もあった。

 映画『イングリッシュ・ペイシェント』でオスカーにノミネートされた世界的女優クリスティン・スコット・トーマス主演の本作。第2次世界大戦時、ドイツ占領下のパリを舞台に、傀儡(かいらい)政権だったとはいえ、フランス警察自らがユダヤ系フランス人の迫害に加担したという悲劇をベースにしたドラマである。会場では、ブランネール監督がこの若さで、骨太で安定感のある映画を作り上げたことに驚きの声が起こっていた。「確かにフランスでも若いということでびっくりされるんです。実は音楽家だった祖父がユダヤ系ドイツ人で、当時、収容所に連行されて亡くなったんです」という個人的体験も踏まえた作品であったことを明かしていた。

 しかし、被害者である自分たちが、実は加害者でもあったというショッキングな事実を基にしたという物語を映画化するということは非常に困難な作業だったことを監督も認めた。フランスの歴史の中では知りたくない人が多い題材であり、古い世代は拒絶している。そして若い世代はこの事実にショックを受けつつも、もっと客観的に見ているということを監督は語ると、「しかし原作はヨーロッパ中で大ヒットした小説ですし、主演がクリスティン・スコット・トーマスだったことも追い風になりました。そして何よりその当時の政治にかかわった人たちが第一線を退いて権力にある立場にいないからこそ、過去の事実を振り返ることができたんです」と胸を張った。

 この映画は非常に重い内容だが、観客の心をしっかりととらえたようで、涙声で「素晴らしい映画だ。多くの人たちが観るべきだ」という男性観客のコメントに思わずもらい泣きしてしまった監督。そしてクリスティンにどうやってオファーしたのかという質問に「彼女に初めて会ったのは、ニューヨークでオバマが勝った日だったので、すぐにイエスと言ってくれました。きっとオバマが勝ってうれしかったんでしょうね」と冗談めかしてコメントした。

第23回東京国際映画祭はTOHOシネマズ六本木ヒルズをメイン会場に31日まで開催中


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