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人気漫画の実写化で異例?『あしたのジョー』実写映画にちばてつや「私の原作を超えていた」

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マンガからそのまま飛び出してきたかのような映画『あしたのジョー』のドヤ街のセット
マンガからそのまま飛び出してきたかのような映画『あしたのジョー』のドヤ街のセット - (C) 2011 高森朝雄・ちばてつや / 「あしたのジョー」製作委員会

 単行本累計発行部数が2,500万部を超えるボクシング漫画の金字塔「あしたのジョー」の実写映画がついに完成したが、その完成度の高さに原作者のちばてつや氏が「私の原作を超えていました」と異例の発言をしていることがわかった。

映画『あしたのジョー』場面写真

 人気漫画になればなるほど、実写化に対するファンの意見は厳しいものになり、実写化が決定した時点でアンチが数多く出現するのが常だ。記憶に新しいのは人気漫画「ドラゴンボール」の実写化が決定しただけで、実写化アンチのファンの意見交換はネットを賑わした。また、原作者にとってもそれは同じことらしく、映画公開に向けて自分の作品とは別物として楽しんでほしいと宣言する原作者も現れたりするほどその思いは複雑だ。

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 「あしたのジョー」はまさに日本の高度経済成長期にその時代を生きた読者とともに成長した作品で、当時のファンやその後アニメや単行本で新たに加わったファンも含め「決して土足で踏み入れてはならない聖域」だ。それは映画化に向けて企画者たちが何度も実写化をためらったことにも現れている。そんな中、走り出した企画は出来ていない映画に対してでもファンからの風当たりは冷たかった。

 原作者であるちばてつや氏も実は「心配で眠れなかった」という。「あしたのジョー」の原作は高森朝雄氏(故・梶原一騎氏)とちばてつや氏。高森朝雄氏は亡くなっているが、夫人の篤子さんがちば氏と5,000平方メートルのオープンセットを訪問し、漫画からそのまま飛び出してきたかのようなドヤ街に感動したことを語っている。しかし、それと映画の出来とは別で、完成品を見るまでは安心できなかったという。

 ところが、出来上がった映画を試写で観たちば氏は何と映画に触発され、約40年ぶりに「あしたのジョー」の名シーンを描き起こすまでに至る。

 ちば氏は主人公、矢吹丈を演じた山下智久とその宿命のライバル力石徹を演じた伊勢谷友介について、「山下さんと伊勢谷さんはジョーと力石そのものでした。二人が殴りあうシーンはすごい迫力でした」と映画の完成度の高さを素直に絶賛。そして「それを観たことで、僕も連載終了以来、初めてジョーと力石が打ち合っているシーンを描くことができたんです」と実写映画が逆に原作者の心を揺り動かすという異例の現象を引き起こしていたことを明かしている。そしてちば氏は「私の原作を超えていました。もう一人の原作者の高森朝雄さんもこの場にいらっしゃったら同じことを言うと思います」と語っている。原作者に「原作を超えた」とまで言わせた、実写版『あしたのジョー』はそれほどの完成度を持って仕上がった。

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 映画『ピンポン』で漫画の実写化の映像へのこだわりから高い評価を得た曽利文彦監督が作り出した映像は、映画『あしたのジョー』ではさらに洗練され、極力CGを排除したリアルな質感や動きにこだわったものになった。原作漫画のコマの構図を踏襲し、カメラアングルまでにこだわっている個所が随所に見られる。山下智久のジョーは若く荒々しい中にも孤高のヒーローの雰囲気を醸し出し、誇り高い力石徹は伊勢谷友介のもともと持つ雰囲気とも重なり8キロも減量したリアリティは原作ファンも認めざるを得ないキャラクターに仕上がっている。また、実生活でボクシングを30年続けて原作ファンでもある香川照之もまるで丹下段平が乗り移ったかのようだ。

 社会不適合者だった矢吹丈がボクシングを通じて熱く生き抜いていく姿が世代を超えて現代の若者にどこまで共感を呼ぶのか、2月の公開が待たれる。

映画『あしたのジョー』は2011年2月11日より全国公開

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