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ソフィア・コッポラ、『ロスト・イン・トランスレーション』以来の私的作品!ヴェネチア金獅子賞受賞の新作

ソフィア・コッポラ、『ロスト・イン・トランスレーション』以来の私的作品!ヴェネチア金獅子賞受賞の新作
ソフィア・コッポラ監督

 映画『ロスト・イン・トランスレーション』や『マリー・アントワネット』などでおなじみの女流監督ソフィア・コッポラが、新作『サムウェア(原題) / Somewhere』について語った。

 同作は、タブロイド紙を頻繁ににぎわす映画俳優ジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)は、フェラーリを乗り回し、いつも違う女性とホテルで暮らす優雅な日々を送っていたが、ある日前妻との間にできた娘クレオ(エル・ファニング)が、ジョニーを訪れる。そしてクレオと過ごす時間によって、ジョニーは現実を見つめ直していくというドラマ。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作品。

 主人公は映画スターの設定だが、あえて個性派俳優のスティーヴン・ドーフをキャスティングしたのは「彼とは実生活でも友人なの。これまでずっと、彼を素晴らしい俳優だと思っていたし、こういう役をこれまで彼は演じたことがなかったと思うの。この役は、決して好まれる役ではないけれど、彼が演じたことで、この役の真実味と優しさを描くことができたわ」と意外性のある配役について語った。

 ガス・ヴァン・サント監督やデヴィッド・フィンチャー監督の作品で撮影監督を務めたハリス・サヴィデスに撮影を任せたことについて「彼はわたしが望んでいた撮影方法をオープンに受け入れてくれたの。まず観客には、カメラが主人公のマルコを追っている感じにはしたくなかったの。次にカメラが無駄に動いていないため、ロングショット(長回し)の撮影も多用しているの。それに、ほとんどは自然光だったため、あまり照明を使わなかったわ。もちろん、それができたのもハリスの才能のおかげよ」と映像には満足のようだ。

 ソフィアは脚本を執筆中に、よく音楽を聴いているらしいが、その点については「そうね、書いているシーンに入り込みやすくするためによく聴いているわ。特に、ロキシー・ミュージックのブライアン・フェリーや、わたしのパートナーでもあるトーマス・マーズのバンド、フェニックスの曲をよく聴いているわね。ただ、あくまで脚本を書いているのに邪魔にならない程度の曲が多いの」と答えた。ちなみに、この映画ではフェニックスの楽曲も使われている。

 この映画の主人公(映画俳優)と娘の関係は、ソフィアと父フランシス・フォード・コッポラの関係に似ているのか、との質問にソフィアは「誰にも両親はいるし、これまでも数多くの親を扱った映画が描かれてきているわ。ただ、わたしのような父を持つと、映画との関係性をよく聞かれるけれど、この映画に特に父との関係性はないと思うわ。実際の父は、この主人公のマルコとは全然違うし、わたしの子どものころはこの映画の環境とは全く違っているわね。ただ真実味を出すために、父が子どものころにカジノに連れて行ってくれたことなど、個人的な記憶から引き出したものはあるわよ」と明かした。

 映画は、親子の関係を主体にした作品だが、ベニチオ・デル・トロがカメオで出演していたり、映画界を興味深い視点で描いた見どころ満載の作品だ。この映画はソフィアにとって、『ロスト・イン・トランスレーション』以来の個人的な作品と言えそうだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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