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『名探偵コナン』で声優デビューの戦場カメラマン・渡部陽一、少年兵にリンチされた過去を激白

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渡部陽一
渡部陽一

 大人気アニメシリーズ「名探偵コナン」の劇場版第15弾『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』の“渡部刑事役”で声優デビューを飾る戦場カメラマン・渡部陽一が、アフレコへの意気込みを語った。その独特の語り口でバラエティー番組に引っ張りだことなり、CM、ラジオと活躍の幅を広げる渡部。そんな彼の語り口を最大限に生かした声優としての初仕事を前に、渡部が現在に至るまでの自身の半生を明かした。

映画『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』場面写真

 「名探偵コナン」は、日本屈指の高校生名探偵・工藤新一が、黒の組織によって小学校1年生の体にされてしまい、江戸川コナンとして小学生生活を送りながら、数々の難事件に立ち向かう姿を描いているが、渡部は、もう一度小学生生活を送れるとしたら、「釣竿一本で世界中を旅したい」と意外な夢を語る。「小さいころは、本当に魚が大好きで、見るのも、釣るのも、食べるのも好きでした」という渡部は、本気で魚の勉強をして、魚博士になりたかったのだそうだ。

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 そんな少年・渡部の心を変えたのが、あるビールのCMだった。渡部は「中学のころに観たビールのCMで、空港の中、メモを取りながら走っていた男が、最後にビールを一気に飲み干すんです。テロップには『国際ジャーナリスト』の文字。それがものすごくかっこよかった」と振り返る。しかし、大学生になり、ツチ族とフツ族が悲惨な内戦を繰り広げるアフリカ中東部に足を踏み入れた渡部には、壮絶な現実が待ち構えていた。渡部は、幼い少年兵から凄惨(せいさん)なリンチを受けてしまったのだという。普通なら二度とそんな場所へは行きたくないと思いそうなところだが、渡部は違った。「極度の恐怖心はありました。でも、日本に帰って、戦場で泣いていた子どもたちのことを言葉で伝えようとしたけれど、できなかったことが心に残ったんです。目の前で起こっているジェノサイド(虐殺)、惨劇を、カメラを通して伝えたいと思ったんです」と戦場カメラマンの道を歩んだ驚くべききっかけを明かした。

 今回の声優出演に関して、「ほかの出演者の皆さんの足を引っ張らないように、一生懸命頑張ります」と意気込みには不安も混じる渡部だが、毎晩渡部が息子に絵本を読み聞かせている姿を見ている妻は「いつもの通りでいいんじゃない?」と渡部の声優としての活躍を信じて疑わない様子。「わたしが、こうやって子どもたちに人気のあるアニメに出演することで、わたしの仕事にも興味を持ち、戦争が世界のいろいろな所で起きているということを、日本の子どもたちにもっと知ってもらいたいんです」と渡部の志も高い。「興味を持つということが平和への第一歩」だと語る渡部。『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』で、活躍する渡部刑事の姿に、危険な戦場でカメラを構え続ける渡部の姿を重ね、世界の平和を願う渡部の思いに、目を向けてみてほしい。

映画『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』は4月16日全国公開

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