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殺人犯として有罪が確定、獄中生活を送った杉山氏・桜井氏が熱弁!「おれはやっていないといつかわかってもらえる」

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ときにジョークを交えながら、積年の思いを語る桜井氏と杉山氏
ときにジョークを交えながら、積年の思いを語る桜井氏と杉山氏

 1967年に茨城県で起きた強盗殺人事件・通称「布川事件」において、犯人として有罪が確定し、獄中生活を送った桜井昌司氏と杉山卓男氏の仮釈放後の姿を14年に渡って追ったドキュメンタリー映画『ショージとタカオ』の公開直前記者会見が9日、千代田区の東京弁護士会館で行われた。本作を手掛けた井手洋子監督と共に登場した桜井氏と杉山氏は「むりやり自白をさせられた」と当時の無念さを振り返った。

映画『ショージとタカオ』場面写真

 「布川事件」は1967年の8月30日に、茨城県北相馬郡利根町布川で1人暮らしの男性が殺害された事件。物的証拠にとぼしかったものの、目撃証言と別件逮捕されていた桜井氏と杉山氏の自白によって、1978年に2人の無期懲役が確定した。1996年に仮釈放された後、弁護団が検察の証拠不備と証拠隠しを追及。2001年に起こした2度目の再審請求が認められ、今月16日の再審判決において、無罪判決が下される見通しとなっている。本作は2人が仮釈放された1996年秋から、再審公判が始まった2010年夏までの14年間に密着。普通の暮らしですらままならなくなった被疑者の人権や裁判制度について再考を迫る一作となっている。

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 取調室で犯行の自白を強要させられたと主張する杉山氏は、当時を振り返り「ウソの自白をしても、裁判になれば裁判官はわかってくれると思っていた。けれどウソの自白が証拠になるとわかったとき、非常に後悔しました」と無念さをにじませた。また刑務所で労働をさせられているときも「どうしてマジメに働かないんだ?」と調査員に言われ、「何で無実の人間が強制労働をしないといけないんだ!」と涙を流しながらどなったというエピソードを明かし、こみ上げる悔しさをかみ締める場面もあったが、「(事件発生からの)四十数年間がんばってこられたのは、俺はやっていない、いつかわかってもらえるという信念、それと支援者の会や弁護団に支えられてきたからです」と周囲の人々への感謝を述べ、現在は前向きな気持ちで日々を送っていることをうかがわせた。また、14年間に渡って密着撮影をされたことに関しては「本当に嫌で監督と何度もケンカをした。仕事を探しているとき、ハローワークに一緒に来て撮影されたが、仕事が見つからなかったのはそのせいだと思っている」と冗談交じりにいいながら「こうして14年間の歩みを残してくれたことに感謝している」と無骨ながらも井手監督に深い感謝を表した。

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 一方の桜井氏は、手錠をかけられた後遺症か、現在も腕時計をはめることができないことを明かした。刑務所に入った当初は、自由になりたいあまり頭が破裂しそうなほど苦しくなったことがあったと振り返るも、「刑務所で過ごしたのは非常にいい時間。それまで社会で恥ずかしい生き方をして、なまけ者でマジメに働いたこともなかったが、一回しかない時間を生きようと刑務所では作詞作曲を勉強して、生き様を残せれば悔いがないという思いになっていた。ある意味、(逮捕されたのは)天命だったのかと不思議な気分です」と語り、「可能だったら刑務所内のシーンも撮ってほしかった。野球や将棋をしたり、バンドでトランペットを吹いたりして生き生きとしていましたよ」と明るい笑顔を浮かべていた。

映画『ショージとタカオ』は3月19日より新宿ケイズシネマ、横浜ニューテアトルにて公開

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