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もはや韓流スターありきのメロドラマだけじゃない?韓国映画の「現在」(1/2)

もはや韓流スターありきのメロドラマだけじゃない?韓国映画の「現在」
俳優のヤン・イクチュンが主演&監督した映画『息もできない』より - (c)2008 MOLE FILM All Rights Reserved

 ペ・ヨンジュンら人気スターがけん引した韓流ブームが、今も根強く続く一方、韓国映画界はポン・ジュノ監督をはじめとするベテラン監督や新進気鋭の若手が、国際的な評価を勝ち取っている。現在日本でも公開されているイ・ビョンホン主演のクライムサスペンス映画『悪魔を見た』が、その過激なバイオレンス描写で世界を席巻し、先月開催された第40回ロッテルダム国際映画祭では、韓国映画『茂山日記』が最高賞を受賞したばかり。スターありきのメロドラマにはない、独自の魅力を放つ韓国映画の「現在(いま)」を探ってみた。

 まず注目したいのは、今や国際映画祭の常連ともいえる人気監督の存在。具体的にはポン・ジュノ、パク・チャヌク、キム・ギドクといった名匠たちで、彼らの動向は常に世界中のメディアや映画ファンの注目の的だ。ジュノ監督はゼロ年代を代表する傑作サスペンス映画『殺人の追憶』で世界を震撼(しんかん)させ、謎の巨大生物と市民の戦いを描いた映画『グエムル -漢江の怪物-』ではモンスター映画の新たな可能性を提示。ウォンビンが主演した映画『母なる証明』は、息子の無実を証明しようとする母親の暴走をスリリングに描き、再び称賛を浴びた。一方、チャヌク監督は映画『オールド・ボーイ』をはじめ「復讐(しゅう)3部作」と呼ばれる秀作を次々と発表。映画『渇き』では人体実験によってバンパイアになった神父と人妻との禁断の情事を叙情的かつ暴力的に描き、2009年のカンヌ国際映画祭の審査員賞を受賞した。すでに名声を手にした監督たちが、守りに入らず、常に冒険し続ける姿勢が、韓国映画の可能性を広げている。

 ジュノ監督、チャヌク監督らと同じ1960年代生まれのキム・テギュン監督は映画『クロッシング』で、脱北者が直面する過酷な現実を真正面からとらえ、第81回アカデミー賞外国語映画部門賞の韓国代表作品に選出された。徹底した取材調査、そして中国やモンゴルなど北朝鮮との友好国で、危険なロケを敢行する気骨あふれるスタンスも評価に値する。気骨あふれるといえば俳優のヤン・イクチュンが、製作費をねん出するために自宅を売却し、完成にこぎつけた映画『息もできない』も記憶に新しい。イクチュン自らが演じる主人公が、トラウマを抱える孤独な女子高生との出会いを通じて、人生と向き合う姿を文字通り、息もできない切なさと緊張感で描き切った同作は、第10回東京フィルメックスで最優秀作品賞と観客賞をダブル受賞し、映画雑誌「キネマ旬報」の2010年外国映画ベストワンに選ばれた。イクチュン監督は1975年生まれ。優れた監督の世代層が厚い点も、韓国映画の特徴だ。


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