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「ゼロの焦点」「砂の器」を映像化 多くのファンを魅了する野村芳太郎ワールドとは(1/2)

「ゼロの焦点」「砂の器」を映像化 多くのファンを魅了する野村芳太郎ワールドとは
強烈なシーンが印象的な野村監督作『八つ墓村』 - (c)1977松竹株式会社

 映画『ゼロの焦点』や連続テレビドラマ「砂の器」など松本清張作品の映像化はここ数年だけでも枚挙にいとまがないが、松本清張の小説を数多く手掛けたサスペンスの巨匠・野村芳太郎監督にはそのほかの作品にも名作が多く、現在でも多くのファンを魅了している。サスペンスにシリアス、コメディーまで手堅く仕上げる野村作品が映画ファンを引き付ける理由に迫ってみた。

 野村芳太郎監督といえば松本清張の名が思い浮かぶのと同じくらい、多くの人が代表作として挙げるのが映画『八つ墓村』だ。昭和13年の津山30人殺しをモデルに書かれた横溝正史の小説が原作のこの作品は、昭和50年代に少年少女だった世代にとっては定番のトラウマ体験、インパクトのあるシーンは今も脳裏に焼き付いているだろう。不気味に目を見開く生首や夜桜の中を駆け抜ける殺人鬼など、思わず目を覆うようなシーンが印象的だった。また、巨匠はグロいのがなかなかお好きらしいと推察したくなる作品に、映画『左ききの狙撃者 東京湾』がある。麻薬密売組織と警察の攻防を描いたこの作品では、警官と犯人が列車から落ちそうになりながら格闘するシーンの執拗(しつよう)で痛々しいことといったらまったく手加減なし。『八つ墓村』も『左ききの狙撃者 東京湾』も至ってシリアスで重厚だが、時折トラウマになりそうな強烈なシーンが登場するのが野村芳太郎らしさといえるだろう。

 さらに人間の恐ろしさをとことん描き出すということも野村芳太郎の作品の魅力。映画『鬼畜』での緒形拳と岩下志麻が演じた夫婦がその代表例だが、コント55号出演の映画『初笑いびっくり武士道』は健全な笑いが持ち味のはずの萩本欽一が何ともブラックなキャラクターにふんし、タイトルに違わずびっくりさせられる。エラリー・クイーンの小説を基にした犯罪ミステリー映画『配達されない三通の手紙』は、華麗なセレブの裏に隠された複雑な人間模様が描かれている。特に純情可憐(かれん)なヒロインの栗原小巻が終盤に見せる女の狂気は一見の価値ありだ。

 野村芳太郎作品では俳優たちの演技合戦も見どころの一つとなっている。寅さんでおなじみの国民的俳優・渥美清を映画『拝啓天皇陛下様』でブレイクさせた野村監督だから、俳優の才能を見極める目には疑いがないだろう。昭和の文豪の一人、大岡昇平原作の映画『事件』には実力派俳優たちがそろっている。佐分利信、北林谷栄、乙羽信子、そして森繁久彌といった名優が続々と登場するオールスターキャストの中、若かりしころの大竹しのぶや松坂慶子が当時のベテランたちにも劣らぬ堂々とした演技を披露している。


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