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フロリダの麻薬密輸を描いたドキュメンタリー 元密輸者にインタビューを敢行

フロリダの麻薬密輸を描いたドキュメンタリー 元密輸者にインタビューを敢行
(左から)ロバート・プラットショーン、ビリー・コーベン監督

 アメリカのフロリダ沿岸で70~80年代にかけて行われた麻薬密輸を描いたドキュメンタリー『スクウェア・グルーパー: ザ・ゴッドファーザーズ・オブ・ガンジャ(原題) / Square Grouper : The Godfathers of Ganja』について、監督のビリー・コーベンと実際に密輸を行っていたロバート・プラットショーンが語った。

 同作は、70~80年代にかけてアメリカの80%の麻薬を密輸していたフロリダ沿岸に焦点を当て、その影響と実態に密輸関係者への直接のインタビューを通して描いたドキュメンタリー作品。ちなみに、この「スクウェア・グルーパー」とは、70~80年代にかけて密輸目的でフロリダ沿岸の国境地帯に船や飛行機で投下された麻薬入りの袋やつぼを指している。

 監督のビリー・コーベンは、前作でコカインを扱った秀作『コカイン・カウボーイズ(原題) / Cocaine Cowboys』を製作していたが「前作の冒頭の10分で、マイアミが70~80年代の当時のマリファナの密輸を仕切っていたことを描いていて、その中でも特にエバーグレイド・シティという小さな街の男性の80%が、80年代に麻薬の密売で捕まったという過去があったことが気になっていて、今回はそのエバーグレイド・シティの密輸とマリファナ文化を描くことになったんだ」と製作意図を語った。

 映画内で扱われたテレビのニュース映像では、70年代当時アメリカの約3000万人もの人口がマリファナを吸っていたという統計が扱われているが、今日の麻薬犯罪を考えた際に、なぜアメリカは当時マリファナを合法にできなかったのだろうか。「実は、実際に当時合法化されそうになったことがあったんだ。この過程を理解する上で、まず禁酒法の時代を振り返ってもらいたい。あれは、逆に多くの犯罪をもたらす結果になった。この問題は、マリファナ=黒人という過去の偏見などもあって、急に合法に覆すのが難しいんだ。ただ、ジミー・カーターが大統領だった時代が合法にはならなかったが、もっとも10代の若者の麻薬所持に関して甘く、少量のマリファナの所持で、強盗やレイプ、あるいは殺人などの犯罪者とともに刑務所に入れないようにしていた時期があった。要するに若者の今後を考えていた時期があったんだ」とロバートが述べたが、現在アメリカの15州が医療目的のマリファナを法的に許可している。

 当時のエバーグレイド・シティで麻薬を密輸していた人物を探し出し、実際にインタビューするまでの過程は「まず、エバーグレイド・シティは30年前も今も全く人口が同じで、約500人の小さな街なんだ。だから、家族関係が親密でアウトサイダーを嫌う街でもある。そこで僕らは、この映画のプロデューサーのリンジー・スネルを送り込むことになったんだ。彼女は美人でお酒も飲め、ほぼ半年間毎週週末にエバーグレイド・シティを訪れ、ようやく当時密輸していた人たちと知り合いになって、徐々に彼らと打ち解けていくことができたんだ。だが最初は、彼女がD.E.A(麻薬取締局)と勘違いされたこともあって、ある時には若い女性がリンジーにナイフを突き付けたこともあったんだ! その時点では、他に親密になった飲み仲間が助けてくれたが、危なかったよ」と苦労して信頼を得てから、インタビューを行ったそうだ。

 映画は、密輸を行っていた人物だけでなく、アメリカのマリファナの文化を深く掘り下げた映画になっている。監督のビリー・コーベンは次回作で、ニューヨークのナイトクラブ、「ライムライト」を扱った映画をすでに製作していて、現在トライベッカ映画祭の出展作品になっている。ロバートは長い間刑務所に入った後、医療目的のマリファナの合法化の活動をしている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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