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子どもたちに戦争や核兵器のない未来を!映画『はだしのゲンが見たヒロシマ』が完成!「はだしのゲン」中沢啓治が語るドキュメンタリー

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自身の生涯を語った「はだしのゲン」作者の中沢啓治
自身の生涯を語った「はだしのゲン」作者の中沢啓治 - 映画「はだしのゲンが見たヒロシマ」より (C)2011 シグロ/トモコーポレーション

 戦争と原爆をテーマにしたマンガ「はだしのゲン」の作者であり、自らも被爆者である中沢啓治の生涯をたどったドキュメンタリー映画『はだしのゲンが見たヒロシマ』が完成した。6歳で被爆し、家族を亡くした中沢が、やがて漫画家となり原爆をテーマにした作品を描くようになるまでの思いを、インタビューや原画など交えながら描いている。これまではマンガを通して「戦争や核兵器のない未来」の可能性を育んできた中沢が、今度はドキュメンタリー映画という形でメッセージを託した77分だ。

 本作は、「はだしのゲン」など自身の被爆体験が多くの作品のテーマとなってきた中沢へのインタビューを中心に、中沢の原画や広島の街の探索などを交えて構成されている。インタビューの聞き手は、広島を拠点に活動しているNGO団体ANT-Hiroshimaの代表理事・渡辺朋子。元々は同団体の活動の一環としてスタートしたインタビューだったが、中沢の口から語られる体験はあまりに壮絶なものであり、「ぜひ、戦争を知らない現代の若者に知ってほしい」との思いから、改めて映画として製作されることが決定した。撮影は2009年から今年1月までの長きにわたって行われ、その間、中沢は原爆ドームや通っていた神崎小学校などゆかりの場所を訪問。その様子も、本作には収録されている。

 被爆当時6歳だったという中沢だが、目の前で繰り広げられた惨状は脳裏に焼き付けられており、「はだしのゲン」などに表される広島の光景はまさに中沢の体験そのものを絵に託して描いたものだという。自身は奇跡的に助かったものの、父、姉、弟を原爆で亡くした中沢は、マンガ家として活動していた後年、原爆の影響で骨も残らなかった母の死をきっかけに、初めて原爆をテーマにした作品「黒い雨にうたれて」を発表。それ以後、1982年に完結した「はだしのゲン」を含め、多数の原爆を題材とした作品を描き続けてきた。作中のインタビューでは、幾度も映像化された自身の代表作「はだしのゲン」を含め、中沢が作品に込めた願いにも迫っている。

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 まさに原爆体験と共に人生を歩んできたといっても過言ではない中沢は、常に戦争や核兵器のない未来を願い、そのため、子どもたちには自ら平和を追求するように望んでいた。「それには、漫画がひとつの役割を果たしていると思う。文章だと読みづらい子も、漫画なら素直に入っていく。子どもたちに、素直に戦争反対の気持ちが根付いていったら作者冥利(みょうり)に尽きる」と中沢は語っているように、現在中沢の原画は広島平和記念資料館に収蔵され、同館を訪れる多くの子どもたちの目に触れている。「はだしのゲン」がきっかけとなって、初めて当時の広島を知った子どもも少なくないだろう。本作は中沢のマンガ作品同様、あくまでも間口は広く、それでいて観終わった後には、ずっしりとした重みがのしかかってくる作品に仕上がっている。(編集部・福田麗)

映画『はだしのゲンが見たヒロシマ』の上映についてのお問合せはシグロ (TEL.03-5343-3101)まで

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