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世界各国で日活作品の特集上映が決定!1年ごしでアメリカ、ヨーロッパ、アジアで、鈴木清順や川島雄三監督『幕末太陽伝』デジタル修復版など

第64回カンヌ国際映画祭

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「日活100周年~世界巡回上映~」
「日活100周年~世界巡回上映~」

 2012年に創立100周年を迎える日活作品を特集する「日活100周年~世界巡回上映~」が世界各国で開催されることがこのほど、第64回カンヌ国際映画祭に参加している日活から発表された。

第64回カンヌ国際映画祭コンペ部門出品20作品

 この特集上映は国立近代フィルムセンターと国際交流基金の協力を得て、今年10月の米国・ニューヨーク・リンカーン・センターを皮切りに、フランス・パリのシネマテーク・フランセーズ、同・ナント三大陸国際映画祭と周り、その後も約1年間かけて欧州、アジアを回る一大プロジェクト。上映作品の選定や本数は各会場に任せられているが、例えばリンカーン・センターでは、約40作品を用意。その中には、日活が100周年記念事業として取り組んでいる川島雄三監督『幕末太陽伝』(1957)のデジタル修復版や、日本でもなかなか観ることのできない1920年代の貴重な作品も含まれているという。

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 日活と共に本プロジェクトをすすめてきた同センターのプログラム・ディレクター、リチャード・ペーニャ氏は「松竹は小津安二郎に代表されるような、市井の人々の生活を細かく描く作品を、一貫して製作してきたという流れがあります。それに対して日活は、時代時代で変化し、そして新しいジャンルを作っては、新たな観客を開拓してきたという面白い歴史があります。日本映画史をたどる研究には、作品や監督の研究はありますが、会社という視点のアプローチは海外では珍しいと思います」と意気込みを語る。

 今回のカンヌでの発表にはペーニャ氏をはじめ、シネマテーク・フランセーズのプログラム・ディレクター、ジャン=フランソワ・ロジェ氏と、ナント三大陸映画祭のディレクター、ジェローム・バロン氏も出席した。それぞれ日本映画にも造詣が深いとあって「好きな一本を選ぶとすれば?」と質問を投げかけると話が止まらない。ペーニャ氏が「鈴木清順監督が好きです。1996年に初めて日本へ行ったのですが、それは国際交流基金との企画で清順監督特集をするためでした。その時、たまたま上映されていた『東京流れ者』(1966年)を観に行ったら、観客が全員テーマソングを一緒に歌っていて驚きました(笑)」と言えば、バロン氏は「16歳で出会って以来、溝口健二監督が最も好きです。また1992年に神代辰巳監督特集を観て感動しました。田中登監督も好きですねぇ」と目を細める。またロジェ氏は「1929年に製作された溝口監督の『東京行進曲』が好きです。今回の作品選定で観賞したのがきっかけで、神代、曾根中生といった監督たち作品と出会うことが出来ました」と話し、彼らをしても日活の100年の歴史には海外で知られていない作品が多数あり、今回でようやく日の目を見ることになりそうだ。

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 日活の杉原晃史・取締役版権営業部門長は「皆さん、よく知っておられますね。これまで日本市場を向いてきた会社ですが、今後は世界に向けて新しいチャレンジをしていきたいと考えています。来年で100周年を迎えますが、これは、次の100年に向けての一年目だと思っています」と語った。

 「日活100周年~世界巡回上映~」の開催日程は、ニューヨーク・リンカーン・センター(2011年10月1日~21日)、ナント三大陸映画祭(2011年11月22日~29日)、パリ・シネマテーク・フランセーズ(2011年12月上旬~2012年1月中旬)。(取材・文:カンヌ・中山治美)

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