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河瀬直美監督『朱花(はねづ)の月』がカンヌでコンペ上映!約5分間のスタンディングオベーション!

第64回カンヌ国際映画祭

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河瀬直美監督『朱花(はねづ)の月』が5分間のスタンディングオベーション-河瀬監督(写真中央)と手前の着物を着た女性は女優の大島葉子
河瀬直美監督『朱花(はねづ)の月』が5分間のスタンディングオベーション-河瀬監督(写真中央)と手前の着物を着た女性は女優の大島葉子

 河瀬直美監督『朱花(はねづ)の月』が現地時間18日、第64回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で公式上映され、約5分間のスタンディングオベーションを受けた。

映画『朱花(はねづ)の月』場面写真

 河瀬監督は地元・奈良のデザイナーによるドレスを、主演のこみずとうたは、映画『殯(もがり)の森』のうだしげきがカンヌで着用したときの羽織袴をそのまま受け継ぎ、また女優・大島葉子も母親の帯を絞め、皆で手をつないでレッドカーペットを歩いた。上映後に観客の好反応に思わず涙ぐんでいた河瀬監督だったが、実はレッドカーペット上ですでに涙があふれそうになっていたという。

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 河瀬監督は「レッドカーペットを歩くのは、『沙羅双樹』『殯(もがり)の森』に続いて三度目なんですけどなぜかちょっと泣けてきた。日本が東日本大震災で暗くなっている中、(受賞結果の)良い知らせを待っている人がいっぱいいて、皆さんの気持ちがぐわーっと(自分の方へ)来たのかもしれませんね」と華やかな場所に立ってなおのこそ、被災地のことを慮ったようだ。

 実は上映後に行うパーティーで、河瀬監督は奈良の梅乃宿酒造の協力を得て、日本酒を振る舞う予定だった。しかし、3月11日以降に製造された日本食品の輸入を厳しく制限している欧州輸入委員会の規定に抵触したようで、ニース空港で足止めされてしまい届かなかった。カンヌでも日々、震災の暗い影がのしかかる。

 同作品は奈良・飛鳥地方の歴史と現代を結ぶ男女3人の恋愛劇で、映画のラストにはいにしえの日本を礎を築いた人たちへの感謝の意味を込めて「名もなき無数の魂に捧ぐ」という言葉で締めくくられている。この日、改めて映画を見た河瀬監督は「まさにそのテロップを入れている最中に震災に遭いました。あの言葉は藤原京で亡くなった無名の人たちのことを指していたのだが、震災で亡くなられた方たちのことも指していたと思うと、何かここで発言をすることが人類にとって大切なことなのではないかと思った」と感慨深げに語った。

 受賞結果は現地時間22日に発表されるが、河瀬監督が最高賞のパルムドールを受賞する手ごたえについて問われると「それで日本の皆さんが元気になれるのであれば、自分の願ところです」と力強く語った。(取材・文:カンヌ・中山治美)

 映画『朱花(はねづ)の月』は9月公開。

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