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映画『グリーン・ランタン』、不完全燃焼ながらも全米トップに! - 6月20日版

全米ボックスオフィス考

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初登場全米トップなんだけどね……。(映画『グリーン・ランタン』より)
初登場全米トップなんだけどね……。(映画『グリーン・ランタン』より) - (C) 2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. TM & (C) DC COMICS.

 ここ数年、頻繁に封切られているコミック・ヒーローの実写版映画、今年だけでも映画『グリーン・ホーネット』『プリースト』『マイティ・ソー』『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』とこれでもかっ! というペースで公開されており、全米映画ファンもコミック・ヒーローものに対して食傷気味の様相を呈しているようだ。

今週第1位の映画『グリーン・ランタン』場面写真

 今週末公開されたアメコミ・ヒーロー映画『グリーン・ランタン』は、推定7,200スクリーンにも及ぶ巨大ロードショーだったのにもかかわらず5,317万ドル(約42億5,360万円)という大ヒットというには少し物足りない成績となり、全米第1位になったとはいえ関係者たちにとっては満足のいかない結果となってしまった。(1ドル80円計算)

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 2億ドル(約160億円)という巨額の製作費をかけたこの作品は、映画『マイティ・ソー』『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』のデビュー週末興収に及ばず、観客数においては、「駄作」と陰口をたたかれた同ジャンル作品でベン・アフレック主演の映画『デアデビル』やニコラス・ケイジ主演の映画『ゴーストライダー』にすらヒケを取っている。

 また『グリーン・ランタン』は、公開前に集中砲火のごときPR作戦を展開しており宣伝費用もかなりの額に達している。食うか食われるかのハリウッド映画業界は、ほかのビジネス同様に、努力ではなく結果がものをいう世界であり、『グリーン・ランタン』宣伝のためにかなりの出費をしたにもかかわらず大ヒットを逃したという事実は、たとえ全米ナンバーワンになったからといって、全然喜んでいられない状況なのだ。

 代わって第2位は、先週の第1位から後退したものの降下率は39.4パーセントと比較的低かった映画『SUPER 8/スーパーエイト』で2,147万ドル(約17億1,760万円)の収益。この作品は、配給パラマウント・ピクチャーズの担当者が業界誌に語ったところいわく、「出だしは地味かもしれないが、結局は少しずつ心にしみるようにジワジワと売り上げを伸ばしていく作品」なのだそうだ。映画の成功、不成功は、総合収益から製作費や諸経費を引いた時点でどれだけ稼ぎが残るかに尽きるわけだが、本作が製作費概算で5,000万ドル(約40億円)という、昨今にしては比較的安い価格で作られた作品であることを考えると、このままスタミナ持続で稼ぎ続けていけば、最終的には大ヒット作品になるということもありえる。

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 初登場第3位は、映画『ミスター・ポッパーズ・ペンギンズ(原題)/Mr. Popper’s Pengins』で1,845万ドル(約14億7,600万円)。ジム・キャリー主演久々のファミリー・コメディーだが、彼の絶頂期のようなパワーは感じられず彼のセレブとしてのステータスが変わりつつあることを示唆している。配給20世紀フォックスの統計によると映画を観に来ていた56パーセントの観客は女性、そして58パーセントが25歳以下であったという結果が発表されている。

 第4位は、映画『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』で1,193万ドル(約9億5,440万円)。封切り17日目にしての総合収益は1億2,035万ドル(約96億2,800万円)でシリーズ最低となっている。

 今週のトップ5最後は、先週より2ランク後退の映画『ハングオーバー!世界最悪の二日酔い、国境を越える』で1,007万ドル(約8億560万円)。公開から25日で2億3,311万ドル(約186億4,880万円)の総合収益を記録しており、この数字はこれからも伸びていくと考えられる。

 次回のチャート予想だが、ほぼ首位確実とみられているのが大ヒット・アニメシリーズ第2弾の映画『カーズ2』だ。ピクサーの大ヒットアニメ・シリーズ映画『トイ・ストーリー』がとりあえず完結した現在、新たにピクサーの看板商品となった『カーズ』シリーズは期待の的。今回のストーリーは、ワールド・グランプリで世界を旅する車たちが日本など世界で大活躍するというもので、本国アメリカでのヒットはもとより、日本を中心に海外での大ヒットも予想されている。

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 トップ5にギリギリで入るかどうかというもう1本の封切り作品はキャメロン・ディアスジャスティン・ティンバーレイクが共演したコメディー映画『バッド・ティーチャー(原題)/Bad Teacher』。残念ながらキャメロンの最盛期は過ぎてしまったように思われるが、歌を歌わせても演技をやらせてもうまいジャスティン・ティンバーレイクを観に女性客がやってくるかもしれない。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)

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