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「崖の上のポニョ」で紅白出場の藤巻直哉は、宮崎駿監督から「植木等の後継者」と称賛されるサラリーマン!

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藤巻直哉氏
藤巻直哉氏

 大橋のぞみと一緒に歌った「崖の上のポニョ」が大ヒットを記録し、紅白歌合戦にも出場した藤岡藤巻の藤巻直哉が、スタジオジブリとの深いかかわりについて語った。「ポーニョ、ポーニョ、ポニョ、さかなの子」の歌い出しで、大橋のぞみと共に2008年の音楽シーンを席巻したおやじエンターテインメントデュオ藤岡藤巻。その一人、藤巻は、実は大手広告会社に勤めるサラリーマンで、スタジオジブリ作品に4度の声優出演を果たしているという異色の人物。映画『コクリコ坂から』では、スタジオジブリとKDDIとのタイアップを見事まとめてみせ、一部では彼を「スーパーサラリーマン」と呼ぶ声も。そんな藤巻は、宮崎駿監督から「植木等の後継者」と称され、“お気楽なおじさん”として親しまれているという。

映画『コクリコ坂から』場面写真

 スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーを筆頭に、藤巻をよく知る人たちは、藤巻について語るとき、「あの人は本当に怠け者だからね」とあきれながらも、どこか楽しげな表情になる。そんな周りからの評価に、藤巻氏は「鈴木さんによると、自分みたいないいかげんな人間は、昔は会社にたくさんいたというわけ。でもそういう人間は、普通は生きていく上でだいたい淘汰(とうた)されてしまうものなのに、どうしておれは生き残ってしまったんだろうって言うんだよね。でもみんな、異論はあるかもしれないけど、一応おれなりに頑張っているんだけどね」と反論するが、その様子もどこかのらりくらりとしていて面白い。

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 神奈川県民ホールで『コクリコ坂から』の完成披露試写会が行われた際に鈴木プロデューサーが明かしたところによると、本作の主役・長澤まさみを声優に推薦したのは藤巻だったという。ただ、その理由が「実はまさみちゃんが藤岡藤巻が大好きで、雑誌の連載にも書いてくれたみたいで。そんなに藤岡藤巻が好きなら、きっといい人に違いないと思った」というから、何とも藤巻らしい。

 以前、「自分があこがれている仕事をしている人にインタビューをする」という夏休みの宿題を出された藤巻の娘さんのために、宮崎駿監督がインタビューに応じてくれたことを明かした藤巻。宮崎駿監督は、もともと30分ほどと言われたインタビューに、ふたを開ければ2時間近く熱を入れて答えてくれたという。「そのとき最後に、娘がサインをもらっていいですかと聞いたんですけど、『もう君とは友達だからサインはしない』と。普段はサインをしてくれるんですけど、娘にはサインをしなかった。それがすごくいいなと思って。すごく人間味のある人ですよ、サービス精神があって優しい」と宮崎監督の人柄を語った。ちなみにこのとき、「普段はいいかげんな藤巻さんも父親なんだな」と宮崎駿監督が思ったことが、後に映画『崖の上のポニョ』での主題歌起用につながったのだそうだ。これもスタジオジブリスタッフに愛されている藤巻ならではのエピソードだろう。

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 『コクリコ坂から』では、出版社の受付役としてスタジオジブリ作品4度目の声優出演となった藤巻。「(スタジオジブリ作品への声優出演は)回数だけで言えば神木(隆之介)君といい勝負ですかね。でもこちらは主題歌を歌っていますからね(笑)」と笑う。スタジオジブリ作品を裏から支える“お気楽おじさん”は、これからもスタジオジブリ快進撃の原動力となって活躍してくれることだろう。(取材・文:壬生智裕)

映画『コクリコ坂から』は全国東宝系にて公開中

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