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原田芳雄さん、幻の出演作「新世界」が追悼上映決定!「あぁ、いいよ」と出演快諾した原田さん忘れられずと阪本監督

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原田芳雄さんとの思い出を振り返った阪本順治監督
原田芳雄さんとの思い出を振り返った阪本順治監督

 先月惜しまれつつも亡くなった俳優・原田芳雄さんが出演している短編映画『新世界』が8月6日よりテアトル梅田、シアターセブンほかにて順次公開される。遺作となった映画『大鹿村騒動記』の阪本順治監督とのタッグで2001年に初上映された本作は、これまでに2度しか上映されていない幻の作品。阪本監督は、本作について「7本の劇場用映画でご一緒した原田さんと、実はこんな作品もやっていたんです。出演を御願いしたときの、『あぁ、いいよ』という芳雄さんの声が忘れられません」と当時の思い出を振り返っている。

原田芳雄さんと阪本順治監督がタッグを組んだ映画『大鹿村騒動記』場面写真

 短編映画『新世界』は、2001年に行なわれた「第16回国民文化祭・ぐんま2001inたかさき」からオファーを受けて製作され、同祭以外では今年6月に神戸映画資料館でしか上映されていない幻の作品。原田さんが演じるのは、通天閣に住む「流し」で、ギター片手にさまざまな人にインタビューなどを始めるという役回り。ドキュメンタリーの手法を取り入れるといった、短編ならではの趣向が凝らされた約18分の佳品だ。

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 地元・大阪での初上映が行なわれることになった阪本監督は、当時を「(オファーをされたものの、映画の)内容は自由でした。そこで考えたのは、暫く遠ざかっていた通天閣界隈、通称新世界を舞台にまた撮ってみようと」と振り返り、「主人公の生業は、“流し”。その役に、原田芳雄さん。ヒントは私の6作品目の『ビリケン』。ワンシーンだけ出て頂いたあのときの原田芳雄さんをもう一度登場させようと思った」と本作が自身の代表作である『どついたるねん』『王手』『ビリケン』の「新世界3部作」に連なる作品であることを明かしている。

 くしくも製作されたのは、2001年に起きたアメリカ同時多発テロ事件の直後。そういった社会情勢を踏まえた上で、あえて喜劇に挑戦したという本作は、阪本監督いわく、「とにかく、奔放に撮った作品です」という思い出深いものとなった。「『大鹿村騒動記』を含め7本の劇場用映画でご一緒した原田さんと、実はこんな作品もやっていたんです」とコメントした阪本監督は、「(本作への)出演を御願いしたときの、『あぁ、いいよ』という芳雄さんの声が忘れられません」と原田さんとのエピソードでコメントを締めくくっている。

 本作は、8月6日より梅田テアトル、シアターセブンにて行なわれる追悼上映にて、それぞれ『父と暮せば』『スリ』の併映作品として上映される。阪本監督の事務所によると、今回の上映は配給を通したわけではなく、阪本監督個人が劇場側と企画したものだという。ようやく日の目を見るのが、原田さんの死後、追悼上映という形であるのは残念な限りだが、役者・原田芳雄の雄姿を目に焼き付けたい。(編集部・福田麗)

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以下、阪本順治監督のコメント全文

「『新世界』は、2001年に群馬県で行なわれた第16回国民文化祭からのオファーを受けて製作した作品です。内容は自由でした。そこで考えたのは、暫く遠ざかっていた通天閣界隈、通称新世界を舞台にまた撮ってみようと。主人公の生業は、“流し”。その役に、原田芳雄さん。ヒントは私の6作品目の『ビリケン』。ワンシーンだけ出て頂いたあのときの原田芳雄さんをもう一度登場させようと思った。それもときどきドキュメンタリーのタッチを入れて。制作時は、911の直後、日本も含め緊迫していた時期。その情勢をふまえての、喜劇。なぜか通天閣に住む流しの原田さんが、ギター片手に新世界の方々に次々に接して、インタビューなど始める。そして、自身は、そのあとどこへ消えるのか……。とにかく、奔放に撮った作品です。『大鹿村騒動記』を含め7本の劇場用映画でご一緒した原田さんと、実はこんな作品もやっていたんです。出演を御願いしたときの、「あぁ、いいよ」という芳雄さんの声が忘れられません。阪本順治拝」

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