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樹木希林「美しい日本でありたい」モントリオール映画祭審査員特別グランプリ受賞に歓喜!

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授賞式の壇上で輝く笑顔を見せた樹木希林
授賞式の壇上で輝く笑顔を見せた樹木希林

 28日までカナダ・モントリオールで開催されていた第35回モントリオール世界映画祭で、最高賞のグランプリに次ぐ審査員特別グランプリを受賞した映画『わが母の記』より出演者らの歓喜のコメントが届いた。本作の編集を担当し、現在別作品を撮影中のため現地入りできなかった原田眞人監督の息子・原田遊人と、急きょ映画祭に参加した本作の出演者・樹木希林は授賞式に登壇し、樹木は審査員に「美しい映画」だと言われたことを明かし「そういう日本でありたいと思いました」と世界で認められた作品を通して、母国に思いをはせた。

映画『わが母の記』場面写真

 2008年に映画『おくりびと』(滝田洋二郎監督)がグランプリ、『誰も守ってくれない』(君塚良一監督)が脚本賞を受賞し、2009年に『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』(根岸吉太郎監督)が監督賞、2010年に『悪人』(李相日監督)の深津絵里が主演女優賞を受賞したモントリオール世界映画祭。日本と縁の深い同映画祭で今年、ワールド・コンペティション部門に出品されていた映画『わが母の記』(原田眞人監督)が審査員特別グランプリ、映画『アントキノイノチ』(瀬々敬久監督)が革新的で質の高い作品に与えられるイノベーションアワードを受賞した。同映画祭で日本の作品が賞を受賞するのは4年連続となる。

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 原田監督の代理で賞を受け取った息子で本作の編集担当の原田遊人は「このような素晴らしい賞をいただき、とても光栄に思っています。ありがとうございます」と喜びをあらわに。言葉に詰まる場面では樹木を呼び、樹木は昭和39年の日本を舞台に、老いた母の強い愛情と息子との関係を描く本作を踏まえて、「この映画の日本は今、原発という人災により、空気も壊れ、水も壊れかけています。わたしたちはこのような賞をいただいても、うれしいような情けないような気持ちですが、こころしていただきます。美しい映画、と審査員に言われました。そういう日本でありたいと思いました」と決意をにじませ、今の日本を思慮した複雑な胸中を吐露した。

 一方、本作の主演を務めた役所広司は、原田監督と共に現在京都で別作品の撮影中ということもあり、夏休みでカナダを訪れ、孫の雅楽(うた)さんと共に飛び入りで同映画祭に参加した樹木と電話で話したことを明かし「監督と共に喜びを分かち合っています。日本の家族の姿を世界の人々に観ていただけて、そして受け入れてもらえたことがとてもうれしい」と歓喜。また原田監督は「日本が元気のない今、明るいニュースが届いてとてもうれしく思います」と役所同様に受賞の喜びを語り、本作について「すべての観客とその母親たちにささげるつもりで撮りました」と込めた思いを明かした。そして「この家族のきずなの物語がモントリオールの皆様にも共感していただけたことが、光栄」と深い謝辞と共にコメントした原田監督。世界で認められた本作の日本公開が待ち遠しく感じる人も多いことだろう。

 『わが母の記』は、「敦煌」「天平の甍」などで知られる小説家・井上靖が自身の家族とのきずなを基に著した自伝的小説の映画化。主人公の小説家に役所がふんし、母を樹木、小説家の娘を宮崎あおいが演じる家族のドラマ。(編集部・小松芙未)

映画『わが母の記』は2012年公開

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