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バンド「ザ・レモンヘッズ」の旧メンバーが、ポール・ラッド主演の話題のコメディを監督!

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(左から)ジェシー・ペレッツ監督、脚本家イヴジェニア・ペレッツ
(左から)ジェシー・ペレッツ監督、脚本家イヴジェニア・ペレッツ

 映画『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』や『幸せの始まりは』のポール・ラッドが主演した映画『アワー・イディオット・ブラザー(原題) / Our Idiot Brother』について、ジェシー・ペレッツ監督と脚本家イヴジェニア・ペレッツが語った。

ポール・ラッド出演映画『幸せの始まりは』場面写真

 同作は、マリファナを警官に売って刑務所に入っていたおバカな兄弟ネッド(ポール・ラッド)が出所し、住む場所がなかったために母親の家に戻ってくる。そこでリズ、ミランダ、ナタリーの3姉妹(エミリー・モーティマーエリザベス・バンクスゾーイ・デシャネル)は、この自由奔放な性格のネッドに振り回されていくというコメディ作品。このほかに、ラシダ・ジョーンズスティーヴ・クーガンらも出演していて脇を固めている。ジェシー・ペレッツ監督はバンド「ザ・レモンヘッズ」の旧メンバーで、ベースを弾いていた過去を持ち、ミュージック・ビデオの監督としてもグラミー賞を受賞している。

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 まず監督のジェシーは、音楽界から映画界にどう転向したのだろうか。「正直言って、人々に『君はミュージシャンだった』と言われるたびに、僕はかろうじてミュージシャンであって、幸運にもポップ系のパンクバンドで演奏させてもらっていただけなんだと個人的に感じていたんだ。だから、あまり自分がミュージシャンだとは思っていないんだよ。それに、バンドを始める前に学生映画で俳優をやっていて、そのときはレストランでバスボーイをしていたんだ。あるとき、好きだった年上のウエイトレスが映画学校に通い始め、その彼女が出演する学生映画に出演したんだ。ただ、当時の僕はまだ15歳だったために、その学生映画の少し過激でセクシャルなシーンがトラウマになって、しばらく映画にかかわりたくないと思ったね。それでも映画製作に関してだけは興味は持っていて、その後、ザ・レモンヘッズで活動中もいつか長編映画を撮りたいと思っていたんだよ」と明かした。ただ、ザ・レモンヘッズを脱退してからは、ミュージック・ビデオやコマーシャルを手掛けていた。

 ジェシーの妹で、脚本家イヴジェニア・ペレッツとの共同作業について「約1か月間、僕と妹のイヴジェニア、そして彼女の夫デヴィッドでストーリー構成とキャラクター構成を練っていたんだ。確かにポール・ラッドが演じた役ネッドが映画の中では中心ではあるけれど、(この映画を通して)不安の中で強く生き抜く女性たちを実感させられるんだ。そんな女性たちのキャラクターはイヴジェニアが執筆していて、彼女のおかげでこんな素晴らしい女優たちをキャスティングすることができたんだ」とジェシーが語った。

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 映画内では主人公ネッドのおバカなシーンだけでなく、さらに同情や共感さえできるシーンのバランスが図られている。「わたしたちの頭の中には、それらのバランスを図ることが常にあったわ。だから面白いアイデアでも、キャラクターにおバカなシーンが偏りすぎたら、誰かが『このキャラクターは気に入らない』と言って修正していたわね」とイヴジェニアが述べた通り、単なるおバカなコメディ映画とは一線を画している作品になっている。

 この映画では唯一のイギリス人俳優スティーヴ・クーガンがキャスティングされているが、演技派の俳優たちの中でも個性的な色合いを見せ、それぞれ女優陣とポールの役を引き立てている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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