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「恋愛映画は女優がキラキラしていないとダメ!」『モテキ』の大根仁監督が独自の演出論を語る

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キラッキラの女優陣!!-左から仲里依紗、麻生久美子、長澤まさみ、真木よう子
キラッキラの女優陣!!-左から仲里依紗、麻生久美子、長澤まさみ、真木よう子 - (C) 2011映画「モテキ」製作委員会

 テレビ東京系で放送され、口コミで話題を読んだ深夜ドラマに引き続き、映画『モテキ』の演出を務めた新進映像クリエーター・大根仁監督が、ヒロインを演じた長澤まさみ麻生久美子仲里依紗真木よう子の魅力や、ラブシーンに隠された秘密など、観る前に知っておくと映画をより楽しめる作品の面白エピソードを明かした。

映画『モテキ』写真ギャラリー

 女性漫画家・久保ミツロウが新たにオリジナルの原作を作り、大根監督が脚本と監督を務めた本作は、原作コミックを実写化したドラマ版の1年後を描いたオリジナルストーリー。映画化の依頼を受けた監督は、「実は、最初は無理だと思って断ったんです」と当時を振り返る。「ドラマがあれだけ反響を呼んだ後に、何をどう映画化したらいいのかわからなかったんですよね。結局、久保さんと映画用のストーリーを作ることになったんですけど、ドラマという“元カノ”が良すぎたので、それを引きずりながら映画という新しい“彼女と付き合う”ことになりました(苦笑)」とユーモラスな語り口で正直な思いを打ち明けた。とはいえ、「今カノには今カノの良さがあるんですよね。今回は、映画だからできることを思い切りやらせてもらいました」と作品の出来にはかなり満足しているようだ。

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 そんな監督は、今回ヒロインに起用した4人の女優について、「『モテキ』に出たいと言ってくれるなんて、奇特な方たちですよね。事故だと思ってあきらめてほしいです(笑)」と冗談を言いながら、「今回の役は、女優さんそれぞれが『本当はこんな人だったらいいな……』という僕の妄想を入れながらつくりました。女優の顔を一皮むいたような感じにしたかったんです」と役柄に女優自身のイメージを盛り込んだことを告白。長澤まさみが演じた雑誌編集者・みゆきについては、「みゆきは、同性から敵視されそうな女の子なんですが、まさみちゃんが演じるならそんなに嫌な感じにはならないだろうと思いました。とにかく、まさみちゃんをかわいく撮りたかったんですよね」とのこと。また、恋愛体質のOLるみ子役の麻生久美子は、「最近の麻生さんは、アロマのような癒やしのイメージの役が多くて、それが気に入らなかったんです(笑)。もっと業の深い麻生さんが見たかった」のだとか。そして、主人公の草食系男子・幸世(森山未來)に辛口な意見をするアゲ嬢の愛を演じた仲里依紗と、毒舌のドS女・素子役の真木よう子については、「あの2人には、モテキで有頂天になっている幸世に冷や水を浴びせる役を演じてもらいました。それぞれ、役にピッタリだったと思います」とキャスティングにも大満足の様子。さらに、「恋愛映画は女優がキラキラ輝いていないとダメなんです。ヒロインたちを観ているだけで時間が過ぎていくような作品を目指しました」と独自の演出論を熱く語った。

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 ちなみに、全編に流れるJ-POPなど、音楽にも相当なこだわりがある監督は、幸世がヒロインたちとさまざまなシチュエーションで迎える朝のシーンに入れた音にも意味を持たせたそう。「ある人とのシーンではスズメが心地よく鳴いていて、別の人の場合は危険な救急車のサイレンが鳴っている。カラスが不吉に鳴いている人もいます。相手によって異なる幸世の心理状態が、音でわかるようになっているんです」と、とっておきの裏話も披露してくれた。そんな絶妙のこだわりを、ぜひとも映画館で確認してほしい。(取材・文:斉藤由紀子)

映画『モテキ』は9月23日より全国公開

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