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鬼才か天才か、タランティーノも絶賛する三池監督の唯一無二の才能とは?(1/2)

鬼才か天才か、タランティーノも絶賛する三池監督の唯一無二の才能とは?
役所広司ら豪華キャストが出演し、昨年大ヒットを記録した映画『十三人の刺客』 - (c)2010「十三人の刺客」製作委員会

 ヤクザものの作品を撮ったかと思えば、その次はホラーやヒーローものなど、ジャンルを選ばず、超越しながら常にアナーキーな作品を放ち続ける映画監督の三池崇史。彼は天才か、鬼才か、その魅力に迫ってみたい。

 三池監督作の魅力としてまず挙げられるのは、サービス満点かつアナーキーな姿勢だ。たとえば、竹内力率いる強盗団と哀川翔演じる鬼刑事が激突する映画『DEAD OR ALIVE 犯罪者』。すさまじい攻防の果てに哀川がバズーカーを、対する竹内は魂を球状にして発射するシーンは、衝撃的ではあるが、三池監督の異才ぶりを世界にアピールすることとなった。映画『ヤッターマン』では、悪役のボヤッキー、トンズラーを演じる生瀬勝久、ケンドーコバヤシに、アニメ版そのままの長くとがった赤鼻とブタ鼻の付け鼻をさせるという、初めからCGや特殊メイクの使用を無視した、アナログな役づくりを敢行。この「面白くなるなら、何でもあり!」という姿勢が観客の心をくすぐるのだろう。

 また、徹底したバイオレンス描写も彼の持ち味として無視できない。その真骨頂といえる映画『殺し屋1』は、まさに壮絶な死と暴力のオンパレード。頭のてっぺんから股間までをアジの開きのように割かれる人体、かぎづめを背中に刺してつるした上にグツグツと煮立った油を振りかける拷問、壁に張り付いて苦悶の表情を浮かべながらズリ落ちる“スライス顔面”など、ヤリ過ぎを極めた果てにユーモアまで漂わせてしまうバイオレンス・シーンの数々には、ハリウッドのクリエイターたちも絶賛。あのクエンティン・タランティーノ監督が感銘を受けて熱狂的な三池ファンとなり、映画『キル・ビル』に三池作品に出演したキャストを参加させたり、自ら、三池監督作の映画『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』に伝説のガンマン役で出演したのは有名な話だ。

 さらに驚かされるのが、多作でジャンルを選ばない雑食ぶり。ヤクザものが続くのかと思えば、映画『カタクリ家の幸福』でミュージカルに挑戦したり、ジャパニーズホラー・ブームをけん引することとなった映画『着信アリ』を手掛けたり、家族そろって楽しめる映画『妖怪大戦争』『ヤッターマン』『忍たま乱太郎』といった作品を放ったりするのには、「こだわりがないのがこだわりではないのか?」と思ってしまう。しかし、時代劇、アクション、SF、ホラー、西部劇と、ありとあらゆるジャンルを制覇し、なおかついずれの作品もエンタメとして存分に楽しめるハイクオリティーを保たせるという才能の持ち主は、世界の映画界を見回してみても三池崇史ぐらいではないだろうか。


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