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加瀬亮のハリウッド作品について、ガス・ヴァン・サント監督を直撃!

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ガス・ヴァン・サント監督
ガス・ヴァン・サント監督

 映画『エレファント』や『ミルク』など数々の秀作を手掛けてきたガス・ヴァン・サント監督が、新作『永遠の僕たち / Restless』について語った。

ガス・ヴァン・サント監督、加瀬亮出演映画『永遠の僕たち』場面写真

 同作は、余命数か月という不治の病に侵された少女アナベル(ミア・ワシコウスカ)と、他人の葬式に参列してしまう不思議な少年イヌック(ヘンリー・ホッパー)が、互いの環境とこれまでの過去を理解しながら恋に落ちていくというドラマ作品。主人公のイヌックの親友で幽霊であるヒロシ役を日本の俳優、加瀬亮が演じている。このヒロシという役柄は、第二次世界大戦で日本軍の神風特攻隊として戦死した男という設定で、終始パイロットの服で登場している。

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 加瀬亮のキャスティングについて「亮以外にも、何人かの日本の俳優の(オーディション用の)ビデオを送ってもらったんだ。亮はビデオでオーディション用のテープを制作することを嫌っていたようだが、最終的な決断はそのビデオを観て決めたんだ。ただ、亮とは前から面識があって、2003年に僕が日本を訪れた際に、僕の通訳をしてくれた人物の友人として、彼と一緒に食事をしたことがあった。その後、再び日本を訪れたときは、亮が僕を訪ねてきてくれ、いろいろなDVD作品を僕に見せてくれたんだよ。今では彼もかなり英語を話せるようになったが、当時はブロークンイングリッシュで、僕に一生懸命に話してくれていたのを覚えているよ」と前から目を付けていたことを明かし、加瀬亮がポップ系のアイドルではなく、尊敬されている俳優として日本で活躍している点も選考理由になったこともつけ加えた。

 サイレント・テイクという台詞を録音せずに撮る手法を行っているそうだが、これは映画『ツリー・オブ・ライフ』のテレンス・マリック監督の影響なのかとの質問に「この撮影手法は『ミルク』から使用していて、そのときに主演していたショーン・ペンから聞き出したんだよ。彼は以前にテレンス・マリックと仕事をしたことがあったからね。ただ、この手法を使っているのは良い演技を引き出そうとしているわけではなく、あくまで普通の台詞を録音した撮影を行ったうえで、エキストラのシーンとして、沈黙しているシーンが必要な時に、そのサイレント・テイクを使用している。それをすれば編集も楽だし、後で別に撮り直すこともないからね。だから、テレンス・マリックのようにアート志向で使用しているものではないんだよ」と述べたように、映画内ではこの手法が自然で流れるような形で生きている。

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 この映画が初出演となるヘンリー・ホッパーについて「『ミルク』でもキャスティング・ディレクターをしていたフランシーヌ・メイズラーが、ヘンリーのマネージャーを知っていて、当時は画家になろうとしていたヘンリーをベルリンから呼び出して、この映画のオーディションを行ったんだ。彼は共演したミアと同じように脚本を理解するだけでなく、演技を自分のものにしていたよ。確かにヘンリーは初出演ではあるが、サンタモニカの学生時代には舞台をやっていたし、父親(デニス・ホッパー)の撮影現場にも訪れていたことがあるから、ある程度映画製作を理解していたと思うんだ」と語った。ヘンリー・ホッパーは、父親譲りのハンサムな顔だけでなく、繊細な演技もしっかりと受け継いでいるようだ。

 映画は、今を生きようとする若者たちが眩しいくらい輝いている。ガス・ヴァン・サントの演出、自然光を利用したハリス・サヴィデスの撮影、そしてダニー・エルフマンの音楽が心地よいロマンスを構成している。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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