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娘が父親の死を映す『エンディングノート』に是枝裕和監督「正直嫌い、ケンカ売ってんのか!」と当初は困惑(1/3)

娘が父親の死を映す『エンディングノート』に是枝裕和監督「正直嫌い、ケンカ売ってんのか!」と当初は困惑
是枝裕和監督と砂田麻美監督 - Photo:HarumiNakayama

 第59回サンセバスチャン国際映画祭新人監督部門に参加した映画『エンディングノート』の砂田麻美監督とプロデューサーを務めた是枝裕和監督がこのほど、現地でインタビューに応じた。残念ながら砂田監督の新人監督賞受賞はならなかったが、是枝監督は「観客との質疑応答や取材の応対など、堂々としていた」と砂田監督の華々しいデビューに目を細めていた。

 砂田監督と是枝監督の出会いは、是枝監督が映画『花よりもなほ』を製作していた2005年にさかのぼる。監督志望だった砂田監督が是枝監督に「メイキング班でも何でもいいから現場に就かせて欲しい」と弟子志願の手紙を出したのがきっかけだ。その時は『花よりもなほ』の撮影が京都だったこともあり実現できなったが、映画『歩いても歩いても』の時に監督補として撮影から編集まで立ち会い、映画がどのように出来上がるのかを間近で体感した。同じような経験をして是枝監督の元から巣立っていった西川美和監督の、いわば二代目だ。

 どこで彼女たちの才能を見分けたのか是枝監督に尋ねると、「西川監督も文章力がポイントだったんだけど、砂田監督に製作日誌を書かせたら面白かったんですよ。現場をシニカルに観察できていて、ちゃんと笑いどころもあって、僕のこともきちんと客観視して笑いの対象にしていた(笑)。その一方で(撮影現場で)使えない自分自身もきちんと評している。続いて就いてもらった『空気人形』の時もそうだった」と言う。

 一方の砂田監督は「是枝監督の映画ってそんなに饒舌ではないので、撮影現場でもわりと感覚的に現場を動かしているのじゃないかと想像していたんです。ところが真逆で、スタッフに対しても役者に対しても、次に何をすべきか? すべての人が分かるように順序立てて、理論的に説明していた。それはフィクションでもドキュメンタリーの現場でも一緒。きちんと言葉で説明して相手に伝えることの大切さを学びました」と語る。さらに「忙しい時でもジャンクフードを食べないということも」と付け加える。

 是枝監督には、映画『歩いても歩いても』で登場させたとうもろこしの天ぷらが話題になったように、食へのこだわりは半端ではない。海外の映画祭を選ぶ時は美味しい食べ物があることが大切で、サンセバスチャンもその一つ。今回もたっぷり美食を堪能し、日に日に顔が丸くなっていった。是枝監督は「単純に自分が食べることが好きだからだけど、食べることに興味がない人は演出に向かないと思う。台湾の侯 孝賢監督作の食事シーンが魅力的なのは本当にご飯が美味しいから。侯さんは日本で撮影した時に定宿のホテルにわざわざ厨房を作り、スタッフを集めて皆で作って食べてましたからね。美味しいモノを食べるこだわりは、フィルムに写る」と持論を展開する。


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