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映画の世界の国民栄誉賞!映画黄金時代に活躍した大女優・香川京子が日本人初のFIAF賞を受賞!

第24回東京国際映画祭

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「これからは映画保存のお手伝いがしたい」と決意を語る香川京子
「これからは映画保存のお手伝いがしたい」と決意を語る香川京子

 24日、現在開催中の第24回東京国際映画祭の特集上映「香川京子と巨匠たち」内で、映画『近松物語』上映前にFIAF(国際フィルム・アーカイヴ連盟)賞の授賞式が行われ、日本人で初めて同賞を受賞した女優の香川京子に表彰状が授与された。

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 国際フィルム・アーカイヴ連盟、略称FIAF(The International Federation of Film Archives)が、映画遺産の保存活動に貢献した人物を表彰するため定めた賞となるFIAF賞は2001年に制定。受賞者の顔ぶれは、マーティン・スコセッシ監督を筆頭に、マノエル・ド・オリヴェイラ監督、イングマール・ベルイマン監督、マイク・リー監督、ホウ・シャオシェン監督、そして公私ともにベルイマン映画のミューズとなった女優のリヴ・ウルマンら世界に名だたる映画人たちが名を連ねている。ステージ上に立った香川は「正直申し上げて、FIAFを知らなかったわたしが、こんな華やかな表彰式で大きな賞をいただいて、申し訳ない気持ちでいっぱいです。今まで賞を受け取られた方々の名前を拝見すると、わたしが彼らに肩を並べる資格があるのかしらと心配になりますけども、賞をきっかけにこれから(映画保存の)お手伝いをしたいと思います」と決意を語った。

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 香川がFIAF賞を受賞した要因となったのは、成瀬巳喜男今井正小津安二郎溝口健二黒澤明清水宏といった日本映画の黄金時代を彩る巨匠たちに愛され、彼らが生み出す傑作群に次々と出演したという輝かしいキャリアはもちろんのこと、映画資料をフィルムセンターに寄贈したことも大きい。それらの資料は現場のスナップショットなども含めて、映画史研究において大変に貴重なもの。「わたしはこんなに長く仕事ができるとは夢にも思っていませんでした。幸いなことに、すばらしい人たちに出会い、良い作品に出演させてもらい、長い間に、スチール写真や監督とのスナップ写真が残るようになりました。わたし自身の歴史というよりも、日本映画の歴史を知ってもらうためにフィルムセンターにお預けしました」と資料を寄贈したきっかけを語る香川。

 また、香川は4日前に相模原のフィルムセンターを訪れ、膨大な映画フィルムが保存されていることに大変な感銘を受けたという。「(溝口健二監督の)『山椒大夫』や(清水宏監督の)『しいのみ学園』のフィルムを見つけたときに、いじらしいような懐かしいような気持ちで、胸がいっぱいになってしまいました。皆さんの努力で古いフィルムが保存されているというのを目の当たりにして、感動しました。わたしも何ができるかわかりませんが、少しでも多くの人にフィルム保存についてわかっていただくためのお手伝いをしたいと思います」と改めて決意を語った。

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 FIAFの会員であり、東京国立近代美術館フィルムセンター主幹の岡島尚志氏は「アジアの映画人としては香川さんが3人目となり、アジア人の女優としては初の受賞となります。ただし日本生まれとしては初ではありません。昨年受賞したリヴ・ウルマンは東京生まれだからです」と冗談交じりにコメントし、会場を笑わせたが、続けて「香川さんの出演作は、日本の映画芸術だなく、世界が認める映画遺産だといっても過言ではありません」と称賛。さらに東京国際映画祭チェアマンの依田巽氏も「香川さんのすごさを再確認しました。東京で生まれようとどこで生まれようと、わたしは映画の世界の国民栄誉賞と一緒だろうと認識します」とその喜びを共にした。そして香川には表彰状と、1,000フィートのフィルム缶をかたどった純銀製賞牌が授与された。会場に集まった観客たちは、大きな拍手で、大女優の偉業をたたえた。(取材・文:壬生智裕)

第24回東京国際映画祭は10月30日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内の各劇場などで開催中

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