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中国映画の巨匠チェン・カイコー監督来日!「SMAPのコンサートにも行った」と親日ぶり明かす

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新作『運命の子』への思いを語ったチェン・カイコー監督
新作『運命の子』への思いを語ったチェン・カイコー監督

 中国映画の巨匠チェン・カイコー監督が、最新作『運命の子』PRのため来日し、4日にザ・ペニンシュラ東京にて記者会見を行った。これまで100回ぐらいは来日しているというチェン・カイコー監督は、SMAPの北京でのコンサートに行ったことなど親日エピソードを明かしたほか、「日本人の方々があのような災難にあっても、冷静さを失わなかったことに深く感動しました」と東日本大震災での日本人の対応を褒め称えた。

映画『運命の子』場面写真

 第46回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した映画『さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき)』をはじめ、『北京ヴァイオリン』『PROMISE プロミス』などのヒット作を手掛けてきたチェン・カイコー監督。そんな名匠が今回映画の題材に選んだのは、司馬遷の「史記」に記され、2,600年もの間語り継がれてきた物語「趙氏孤児」。謀略により生まれたその日に一族全員が殺されてしまった孤児をめぐり、苦悩と葛藤(かっとう)が入り乱れる愛憎劇が展開する歴史ロマンだ。

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 チェン・カイコー監督はこの題材を選んだ理由を聞かれ「中国はこの30年間で経済的に発展したわけだけど、文化面ではどうなのか? と感じていました。今の若い人は、中国の歴史をどれだけ理解しているのか、と。主人のために我が子を犠牲にする主人公は、これまでは肯定的にとらえられていましたけど、今回は『他人の子のために、自発的に我が子を犠牲にできるのか?』『助けた子を殺人者にさせるのなら、なぜ最初から救ったのか』というわたしなりの2点の解釈を加えました。それがなぜ、今の時代にこの物語を扱ったのかという答えになります」と説明した。

 また、今作でのキャスティングについて、子役は日本育ちの中国人であることを明かしたり、最近日本でも人気の美人女優ファン・ビンビンについては「非常に特別な女性を、よく演じてくれたと思う。彼女には『力いっぱいでなく、静かに演じて。その静けさの中に力がある』と伝えました」と撮影中のやりとりを明かした。

 そして会見の最後に、チェン・カイコー監督は、東日本大震災での日本人の冷静な対応を称賛し「震災当時、北京にいる多くの日本人の方々が『国の一大事だから帰らないと』と帰国していったことも聞いて感動しました。わたしは、中日友好を熱く支持します。SMAPが北京でコンサートを行ったときにも見に行ったんですよ(笑)。中国人と日本人が、お互いの文化を理解することが大事ですね」と日本への好意的な思いを語っていた。

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 『運命の子』は中国の古代・春秋時代に実際に起こった歴史的事件「趙氏孤児」を映画化した作品。滅亡させられた一族の子を助けるものの、その命と引きかえに、彼自身の子と妻を殺され復讐(ふくしゅう)を誓う主人公の医師役を、チャン・イーモウの『活きる』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞したグォ・ヨウが演じている。また、『墨攻』『孫文の義士団』の美人女優ファン・ビンビンが孤児の悲運の母親役を好演。(古河優)

映画『運命の子』は12月23日よりBunkamura ル・シネマにて公開

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