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キマグレンも女性の力強さに脱帽…… 東日本大震災のとき、女性たちは何を思ったのか追うドキュメンタリー上映

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女性たちの強さに脱帽!のキマグレン(KUREI、ISEKI)と我謝京子監督(中央)
女性たちの強さに脱帽!のキマグレン(KUREI、ISEKI)と我謝京子監督(中央)

 21日、ユナイテッド・シネマ豊洲で映画『311:ここに生きる』特別試写会が行われ、本作の主題歌を担当するキマグレン(ISEKI、KUREI)と我謝京子監督が出席した。

 本作は、東日本大震災の被災地の女性たちを追ったドキュメンタリー作品。今年10月の第24回東京国際女性映画祭で本作のワールドプレミア上映が行われて以来、今回が2度目の上映となる。「女性の元気を応援する」がモットーのCS女性エンターテインメントチャンネルLaLa TVでは、この震災が女性たちから何を奪い去ったのか、そして彼女たちは何を礎(いしずえ)に再び歩き出そうとしたのか、という命題を元に、女性の視点からドキュメンタリー映画を制作。アメリカのロイター社でテレビレポーター&プロデューサーとして活躍する我謝監督が被災地の女性たちに密着し、完成させた。

 現在ニューヨーク在住の我謝監督は、「一瞬にして生活が一変した」2001年の911を体験。東日本大震災当時は沖縄に居たというが、ニューヨークの娘のためにアメリカの自宅に戻ったという。「母として帰ろうと思ったのですが、記者としてはなぜ日本に留まらなかったのかと後悔しました」と当時を振り返る監督は、「映像作家として、離れた国からいったい何ができるだろうと思いましたが、そんなときにLaLa TVの方から連絡をいただきました」と本作を制作した理由を明かす。我謝監督は、かつて阪神淡路大震災の復興取材を担当していたといい、「今、映画を作ってみると、神戸、911の体験があって、そして今回と全部つながっているんじゃないかと思いました」としみじみした表情で語った。

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 本作では気仙沼、南三陸町、石巻、相馬、福島、郡山、仙台、陸前高田、釜石、そして東京に住む女性たちに取材。10代から80代までその年齢は幅広いが、それぞれが震災、津波、そして原発事故に向き合い、「日本人が変わって、仲間意識が生まれた」「何か人の役にたてるようなことをしたい」「これは運命。恨みに思っていない」など、彼女たち自身の言葉で311を振り返る。我謝監督は、本作を作る際に決めたことが2つあるという。1つは地震で揺れるテレビ局で、「かがめ!」とディレクターに指示されながら、それでも必死にレポートをしようとする女性の姿をオープニングで映すこと。その映像を観たキマグレンのKUREIは「女性って強いですよね。必死にレポートしようとする姿がものすごく印象に残りました」と感心することしきり。さらにISEKIは、劇中「男の人には悪いけど、国も社会も作るのは女なんです。女が元気だと国が栄えるから、女が元気なら大丈夫! 男は弱いから守ってやんなきゃなんないのよ!」と力強く語る女性が印象的だったようで、「本当にカッコいいし、すばらしいですよね」と女性のパワーに脱帽しているようだった。

 そして、もう1つ我謝監督が決めたことは、被災地の人をかわいそうだと思わせるような、悲しい音楽を使わないこと。監督が「聴いたときに、これだ! と思いました」と振り返る、キマグレンによる主題歌「蛍灯(English Version)」も、震災の直後にKUREIが「不安、葛藤(かっとう)という暗闇に沈んでも、培ってきた誇りという心の中の光を忘れないで」という思いと共に書いたという詩が、アップテンポのメロディーに乗せられた元気の出る楽曲となっている。

 撮影を通して東北の被災地に向き合った我謝監督であるが、「わたしにとってはプロローグと思っていて、少なくとも10年は向き合う。今度の年末年始も南三陸町に話を聞きに行く予定」とパワフルに宣言。「自分たちがあきらめないで、負けないように前を向いていたら、今よりもいいものが生まれるのではないかと思います」と被災地で出会った女性や子どもたちの力強さに刺激を受けている様子だった。(取材・文:壬生智裕)

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