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デジタル世代のニュータイプアニメ監督!!『星を追う子ども』新海誠がこだわりのアニメ制作の裏側を明かす!!

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講義に聞き入る受講者の熱意に応え、貴重な資料と共に講義を行った新海誠監督
講義に聞き入る受講者の熱意に応え、貴重な資料と共に講義を行った新海誠監督

 12日、デジタルハリウッド大学・秋葉原メインキャンパスで公開講座「アニメーション監督『新海誠』の世界」が開講され、デジタル世代におけるニュータイプのアニメーション監督・新海誠が登場、『星を追う子ども』および『秒速5センチメートル』の製作データを披露しながら、その作品作りの裏側を解説した。

映画『星を追う子ども』場面写真

 新海監督といえば、2002年の自主制作アニメ映画『ほしのこえ』で業界を震撼させ、以降、『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』といった作品で熱狂的なファンを生み出した新世代のアニメーション作家。この日の出席者の中にはアニメの製作現場志望の学生も数多く、超満員の会場は熱気でムンムン。監督もそんな受講者に対し、作品の製作途中の貴重な絵コンテや原画、動画、背景といった貴重なデータを惜しみもなく披露。デジタル画像編集用のAdobe Photoshopや動画編集用のAfterEffectsといったソフトを慣れた手つきで使いこなし、新海ワールドの裏側を披露すると、出席者たちの視線は、画面に釘づけ。「レンダリング(データの書き出し)は他人に任せずに、最終的な仕上げまで自分で目を通す」という新海監督は「僕は自主制作出身なので、画面の仕上がりはこうであってほしいと思うのは、僕のわがままなんですが……」と前置きした上で、「特に理由がないんですが、空の雰囲気が気に入らないときがあると、デジタルということもあり、最終的に僕が描き直してしまうことがあります」とコメント。背景美術に定評がある新海作品だけあって、そのこだわりの一端が垣間見えた。

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 自主制作作品をきっかけにキャリアをスタートさせただけあって、「これまで伝統的なアニメ制作の手法を無視して作ってきた」という新海監督だが、今年公開された『星を追う子ども』では「物語や作画など、今までやったことがないことにチャレンジしたかった」と語る。新海監督の作風と言えば、どこまでも写実的で、優しい光に彩られた背景、映像に密接にシンクロしていく音楽、繊細なセリフがちりばめられたモノローグ、そして日常に寄り添ったせつない物語作りなどが挙げられる。それらを封印し、新たな地平を目指したのが『星を追う子ども』だったが、公開後の意見は賛否両論だったという。しかし、「喜んでくれる人も多かったのですが、逆に批判も多かった。とはいえ、『秒速~』がオリジナルかというとそうでもないし、強みでもないと思うんです。ある意味『秒速~』のようなものは、一種のパターンで作れると思うんですよね」と監督。続けて、「僕としてはそんな手くせのように作れるものよりも、今まで自分がやってこなかったものを観たい。おそらく次は『星を追う子ども』とは違うものになると思います」と次回作についての方向性を明かした。

 本作の主人公、アスナの声を当てているのは、人気アニメ「侵略!イカ娘」のイカ娘役などで人気の声優、金元寿子。講義中、そのことに触れた新海監督は、「イカちゃんがきっかけで本作を観ましたという人が多かったんですよ。彼女は新人声優さんらしくシャイだけど、堂々としていて、素晴らしいなと思います」と彼女を称賛。さらに、「アニメ関係のお店で金本さんのサインがついた、イカ娘のトレーディングカードが1枚4万円くらいで売られていたんです。映画を作るのではなく、金元さんにサインをしてもらった方が、生活が出来るんじゃないかと思いました」と金元に関するエピソードを、冗談交じりに明かした。

 「テレビのアニメ監督とは違って、収入の主な部分として、お客さまに観てもらった印税をいただいて、生活を成り立たせています」と明かす通り、これまでのアニメーション監督とは違ったバックボーンを持つ新鋭・新海誠。終了予定時間を大幅に過ぎる講演となったが、会場の誰もが、あらゆる面でニュータイプといえる彼の話に、熱心に耳を傾けていた。(取材・文:壬生智裕)

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