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『ヒミズ』園子温監督、有名俳優の起用はしない!? ブレイクを導くキャスティングのこだわり明かす!

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まさに有言実行!起用した俳優を次々とブレイクさせている園子温監督
まさに有言実行!起用した俳優を次々とブレイクさせている園子温監督

 いま「最も忙しい日本人監督」の一人といえば、『冷たい熱帯魚』のスマッシュヒットに続き、現在『恋の罪』が絶賛公開中の園子温だろう。そんな監督が、人気マンガ原作の最新作『ヒミズ』の配役エピソードや、本作に込めた思いを明かした。

映画『ヒミズ』写真ギャラリー

 2001年から2003年にかけてヤングマガジン誌に連載され、読者から絶大な支持を受けた、古谷実のマンガ「ヒミズ」。園監督にとっては初となる、原作ありきの映画化については「『冷たい熱帯魚』と『恋の罪』が(内容が)重くて、現場もハードでしたからね。みんなはあのマンガを暗いっていうけど、あの2作をやった後の自分にとっては、さわやかな印象がありました」と振り返る。

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 演出にあたっては、主人公を演じる染谷将太二階堂ふみが「自由に伸び伸び芝居ができる環境をいかにつくるか」に心を砕いたという。結果、二人は第68回ベネチア国際映画祭で、最優秀新人俳優賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞をダブル受賞する、日本人初の快挙を達成。『紀子の食卓』の吉高由里子や『愛のむきだし』の満島ひかりなど、俳優の青田買いにも定評のある園監督の作品にふさわしい冠となった。

 若手キャストの起用ポイントについて、「有名じゃないことが大前提。吉高さんの場合、事務所から送られてきたプロフィールには、名前と生年月日しかなかった。つまり白紙。何も経験がないというのが、僕には適していますね。鍛えがいがあるし、面白い」と解説。

 「そいつがもし、自分の作品でブレイクしたら最高だなって思いますね。だから、なんでみんな有名人を使うのかが理解できない。「例えば福山雅治さんが悪役をやるのなら、僕も興味がありますけど」と監督らしい回答にうなるばかり。しかも、実際に起用した俳優をブレイクさせているのだから、やはりただ者じゃない。

 さらに、「僕の映画作りの闘いの第一幕は、常にプロデューサーとのキャスティングの闘いです。『ヒミズ』の二人を選んだ決め手は、自分が未完成で、芝居の可能性をもっと広げたいと思っている情熱がビシビシ感じられたことですね」と語る監督。そんな闘う映画作家・園監督いわく、『ヒミズ』は“終わりなき非日常”を生きていかなければならない青春映画だ。

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 「原作は“終わりなき日常”を描いたマンガだと評されたけど、映画化する2011年には、“終わりなき非日常”になっていた。だから原作と映画は、まったくのネガとポジ。原作ではアドバイザー的な、主人公と同世代の夜野正造を、渡辺哲さんが演じているのも、そのひとつです。今の時代、誰かを頼ったり、他人の意見を聞いたりしてもしょうがない。自分で考えろ、といいたいですね」とキッパリ。本作を鑑賞し、園監督流「愛のムチ」に打たれなければ、2012年は始まらない!? (取材・文:柴田メグミ)

映画『ヒミズ』は2012年1月14日より新宿バルト9、シネクイントほか全国公開

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