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『シェルプールの雨傘』のジャック・ドゥミ監督の息子マチュー・ドゥミが監督としてデビュー!

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マチュー・ドゥミ監督
マチュー・ドゥミ監督

 映画『シェルプールの雨傘』のジャック・ドゥミ監督と女流監督アニエス・ヴァルダの息子として生まれ、俳優として活躍してきたマチュー・ドゥミが、監督デビューを果たした新作『アメリカーノ(原題) / Americano』について語った。

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 同作は、現在パリに住むマーティン(マチュー・ドゥミ)は、長い間疎遠になっていた母親が亡くなったことで、母親の財産問題を解決するために彼女が住んでいたロサンゼルスを訪れる。そして、母親の友人や知人を通して空白の時間を取り戻そうとするが、彼女には意外な真実があった……というドラマ作品。キャストには、亡き母親の友人役にジェラルディン・チャップリン、亡き母親の情報を持つと推測されるストリッパー役にサルマ・ハエックが挑戦している。

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 この映画を製作するうえで、偉大な監督である両親から学んだ点について「両親の作品には感嘆しているよ。おそらく無意識のうちに、彼らから学んだ手法をこの映画に適用していると思うんだ。ただ、子どもの頃に観たウェスタンやフィルムノワールなどの作品にも感化されている。だから、この映画はいろいろな作品の影響が交錯していて、それらほとんどは僕が子どもの頃に父親が紹介してくれたもので、その中には父親自身の作品も含まれているんだ。だからある意味、この作品は映画ファンへの映画ではなく、むしろ映画ファン(マチュー・ドゥミ自身)が製作した映画だと思っている」と明かした。

 サルマ・ハエックは、過去にもストリッパー役を演じたことがあるが、この映画ではどう違うのか。「今回のサルマは難しい役に挑戦したと思っているんだ。それは、彼女が演じたシーンには、ストリップをしながら歌って踊るという約10分ものシークエンスが含まれていて、それを全部同時に演じることは、女優にとってすごく難しい挑戦で、簡単なことではない。そのため、彼女とは何度も話し合いながらリハーサルをして撮影したほどなんだ。それに、彼女の役はストリッパーではあるが、自由を求めて葛藤しているメキシコの女性でもある。だから、彼女のような女優が、こんな小さなフランス映画に参加してくれたことは大きいことなんだ」とサルマを配役できたことに満足しているようだ。

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 この映画の主人公マーティンが母親について調査する過程は、ある意味でこれまで俳優として活躍してきたマチューが、監督としての道を模索し始めた過程に似ている。この点についてマチューは「まさにその通りだ。この映画でのマーティンの体験は、まさに僕の映画製作の体験を暗喩したものだ。それは、両親から継承したものを(自分の個性を育てるために)除去したり、逆に認めたり(受け入れたり)しているからで、そのために僕はこの映画を製作する必要があったんだよ」と語り、それが理由で彼が主役も演じることにもなったそうだ。

 映画はマチュー・ドゥミ監督の初の長編作品であり、多少荒削りな演出も見受けられるが、尊敬する両親に近づくために、着実な一歩を踏み始めたと言える作品に仕上がっている。今後、どのような監督になっていくのだろうか?(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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