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エドガー・アラン・ポー役に挑戦した新作『ザ・レイブン』ジョン・キューザックを直撃!

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ジョン・キューザック
ジョン・キューザック

 映画『スタンド・バイ・ミー』や『セイ・エニシング』などで注目され、その後独立系作品『ハイ・フィデリティ』から大作『2012』まで様々な役をこなしてきたジョン・キューザックが、新作『ザ・レイブン(原題) / The Raven』について語った。

 同作は、19世紀のボルチモアで、エドガー・アラン・ポー(ジョン・キューザック)が発表した物語「大鴉(おおがらす)」に影響を受けたとされる連続殺人事件が起きたことで、事件解明のためにポー自身が捜査に加わり、凶悪犯を追いつめていくというサスペンス・スリラー作品。監督は映画『Vフォー・ヴェンデッタ』のジェームズ・マクティーグがメガホンを取っている。

 この映画でのエドガー・アラン・ポーは、作家というよりは、むしろ犯罪解決人として描かれていることについて「エドガー・アラン・ポーは、科学捜査を作品に取り入れたり、ゴシック小説や詩を書いたり、さらに彼の作品『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』や『ハンス・プファールの無類の冒険』などは、SF小説のパイオニアとしても評価されたりしてるんだ。だからこの映画で、彼が犯罪の解決に協力していても、何の不思議はないんだよ」と語った。さらに「僕は、エドガー・アラン・ポーが推理小説を確立させたと思っている。彼の短編『モルグ街の殺人』にC・オーギュスト・デュパンという(世界初の)名探偵が出てくるが、後に文壇に登場する作家アーサー・コナン・ドイルが執筆したシャーロック・ホームズというキャラクターは、この名探偵デュパンに影響を受けたものなんだ」と教えてくれた。

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 エドガー・アラン・ポーの性格について「彼はアルコール依存症で、酒を飲み始めたら止めることができなくなるほど飲んでいた。ただ内にこもって飲んでいるタイプではなく、よく同じ時代の作家や詩人と(酒場で)インテリな口論を交わしていたそうだ。彼はよく夢の中の夢や、自分の中の悪魔について記していて、自分の中の恐怖を取り除こうとしていたと思うんだ」とリサーチの過程を通して彼なりの見解を持ったようだ。さらに、エドガー・アラン・ポーは酔うために酒を飲んでいたというよりは、むしろ自分を落ち着かせるために飲んでいたようだとも彼は語った。

 撮影のロケーションについて「設定はボルチモアだが、撮影はハンガリーのブタペストやセルビアで撮影されたんだ。もちろん、ボルチモアにもエドガー・アラン・ポーゆかりの地はたくさんあるが、東ヨーロッパの国々のほうがポーが住んでいたような当時の古い建築や道が残っているんだよ。それに、向こうで撮影したほうがアメリカで撮影するより(制作費が)安いからね(笑)。ただ、僕らが撮影した時期は冬で、本当にモダンなアメリカの生活からかけ離れた気持ちになったが、撮影に関しては暗い夜道や寒さが、当時の雰囲気に僕らを誘ってくれた」と設定に適した良い環境で仕事ができたようだ。

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 映画は、エドガー・アラン・ポーを学ぶ映画というよりは、むしろ彼の世界感を感じさせてくれる映画に仕上がっている。そして映画を観終わった後、ポーの作品に興味を持つことは間違いないだろう。ジョン・キューザックの次回作は、映画『プレシャス』のリー・ダニエルズ監督とタッグを組んだ『ザ・ペーパーボーイ(原題) / The Paperboy』が控えている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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