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ジェームズ・キャメロン監督「タイタニック号の本当のヒーローはエンジニア」と明かす

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ジェームズ・キャメロン監督
ジェームズ・キャメロン監督

 巨匠ジェームズ・キャメロン監督が、現在公開している映画『タイタニック』の製作経緯と当時の撮影エピソードを語った。同作は、1997年のアカデミー賞で作品賞を含め全11部門を獲得した大作の新バージョン。300人ものスタッフと最先端の3D技術を駆使して、タイタニック号の船内や甲板の奥行きや沈没シーンの臨場感などが映像で迫ってくる超大作だ。

映画『タイタニック 3D』フォトギャラリー

 『タイタニック』の製作経緯について「『タイタニック』を製作する経緯には、二つのインスピレーションがあったんだ。まず一つは、映画『SOSタイタニック/忘れえぬ夜』を観たことで、もしタイタニックが沈没する過程を、映画『アビス』を製作したスタッフとともに描いたら、素晴らしい映画ができるのではないか? と思ったんだ」と最初のきっかけがあり、さらにその次の日に、『タイタニック/深海に沈む真実』の試写の招待状が送られてきたことの偶然が決定打になったという。

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 物語を構成するにあたっては、どうしたら現在の人たちに、この1912年に起きた事件に関心を持ってもらえるか、と脚本を書き始めながら考えていたときに、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』のラブストーリーを思いついたという。「タイタニック号の生存者のストーリーを曲解させて描くことはできないから、当然このラブストーリーは、フィクションでなければいけなかった」と振り返る。1912年当時は階級の違いが重要で、それが物事を大きく左右していた。そこが観客に大きな共感を呼んだことが『タイタニック』の成功の要素の一つだったことは間違いない。

 レオナルド・ディカプリオ演じたジャック・ドーソンというキャラクターは、ある意味ジェームズ・キャメロンのキャリアに似ていることについて「ジャックはブルーカラー出身のボヘミアン(放浪者)で、実は作家ジャック・ロンドンをベースに執筆したんだ。それと、僕も以前にスケッチを描いて、それを売ってお金にして生活しながら脚本を書いていた。だからある程度僕の要素もジャックに含まれているんだ」と明かした。

 また、タイタニック号の本当のヒーローについて、「2001年と2005年に、二度のタイタニック号へのロボット探索機を使った調査でわかったことだが、船内のアッパーデッキが大きなダメージを受けていたんだ。シュミレーションしてもらって新たにわかったことは、もともとほぼすべての海難事故にあった沈没船は、一度船がひっくり返ってから沈んでいるんだが、ご存知の通りタイタニック号は、ひっくり返らず、そのまままっすぐに海に沈んでいったために、船が沈むまで船体がいかにエンジニアによってバランスが保たれていたかが、新たにわかったんだ」とその時、初めて気付かされたそうだ。

  今回の取材を通して、ジェームズ・キャメロン監督がいかにこの作品に思い入れがあるか理解できた。『タイタニック3D』は、すでにオリジナルの作品をビデオで鑑賞した方、映画館で鑑賞した方にも、また新たな体験をさせてくれる映画になるだろう。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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