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新藤兼人監督の通夜に1,000人参列 代表作『裸の島』イメージの祭壇でしめやかに……

新藤兼人監督の通夜に1,000人参列  代表作『裸の島』イメージの祭壇でしめやかに……
新藤兼人監督、遺影には『一枚のハガキ』撮影時のものが使われた

 2日、港区の増上寺光摂殿で映画監督の新藤兼人さんの通夜が営まれ、津川雅彦、豊川悦司などの映画関係者ら約1,000人が弔問に訪れた。

 新藤兼人監督は、5月29日に老衰のため100歳で亡くなった。邦画界最高齢の現役映画監督として、監督デビュー作となる1951年の『愛妻物語』から、2010年の『一枚のハガキ』まで、生涯で49本の監督作を生み出した。この日の祭壇は、1960年の新藤監督の代表作『裸の島』の舞台となった広島県三原市の宿彌島(すくねじま)をイメージしたもの。遺影は『一枚のハガキ』撮影当時の現場のスチール写真が使用された。

 この日は、1992年の映画『墨東綺譚』で主演を務めた俳優の津川雅彦が弔辞を読んだ。訃報を聞いた津川はマスコミに向け「先生は大往生ですから、今はただただご苦労様でした。おめでとうと申し上げたい」とコメントを寄せた。しかし、亡くなる前日に、日米合作映画を撮影していたと思われる寝言を発していたことを聞いた津川は「それは今ここで撤回します。もう未練はなかろうと思っていたんですが、まだまだお撮りになりたかったんですね。先生、ごめんなさい」と呼び掛け、涙を浮かべた。

 新藤監督の遺作となった『一枚のハガキ』に出演したときのことを振り返った津川は、「監督が黙って手を出されたので、その手を握ったんですが、『津川さん、これで最後かな。もう会えないのかな』とおっしゃられた。そのにぎった手の強さにびっくりしました。先生が僕との仕事をこんなに惜しんでくれて寂しがってくれるなんて。あの手の感触は生涯忘れません」と声を震わせた。そして遺影を見つめながら、「先生、愛しています。ありがとうございました」と呼び掛け、一礼。最後の別れを行った。

 この日の主な参列者は、平田満、川上麻衣子、津川雅彦、渡辺大、宮崎美子、原田大二郎、星由里子、奥田瑛二、安藤和津、安藤サクラ、安藤モモ子、永島敏行、山本晋也監督、篠田正浩監督、神山征二郎監督、豊川悦司、竹中直人など。竹中は帰りがけに「『三文役者』という映画を一緒にさせていただいたのですが、(今日は監督に)そのときの思い出話をしました。凝縮した一本を撮ることができて良かったと思います」とコメントを寄せた。(取材・文:壬生智裕)


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