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岩井俊二監督、8年ぶりの長編映画は太宰治「人間失格」のオマージュ!

岩井俊二監督、8年ぶりの長編映画は太宰治「人間失格」のオマージュ!
「世の中の端っこというか、輪の外にいる人を描くのが好きなんです」岩井俊二監督 - アップルストア銀座にて

 1日、アップルストア銀座にて、トークイベント「Meet the Filmmaker」が行われ、8年ぶりの長編映画『ヴァンパイア』の公開を控えた岩井俊二監督が出席。製作過程でのエピソードや作品に込めた思いを語った。

 本作で脚本・監督・撮影監督・音楽・編集・プロデュースを兼ねた岩井監督は、キャノン「EOS 5D Mark II」に代表されるようなデジタル機器の出現に「誰でも素晴らしい機材が手軽に使えるようになり、才能とセンスがあれば戦える時代になった」と指摘。現在公開中の映画『アベンジャーズ』を引き合いに出し「上手く工夫をすれば製作費100億円の映画にも勝るような面白いものを撮ることができる」と若いクリエイターへメッセージを送った。

 映画『花とアリス』以来8年ぶりの長編作品となる本作は、全編英語での作品であるが「日本では、スタッフとの美意識の共有は難しいけれど、アメリカではイメージや世界観の共有はスムーズ。非常にポジティブでやりやすい環境だった」と振り返る。

 作品のテーマは「生と死」。「『人間はなぜ生きているのか?』といった僕のライフワーク的なテーマです。ヴァンパイアというシチュエーションを使っていますが、10代の時に読んだ太宰治の『人間失格』をオマージュした映画」と作品のイメージを語った岩井監督。「(本作のように)男性を主人公にして世の中の端っこというか、輪の外にいる人を描くのが好きなんです。まあ(これまでの主人公は女性が多かったが)女性も同じなんですけどね。松たか子さんが演じた『四月物語』の役(楡野卯月)も『花とアリス』のハナの行動も、中年の男がやっていたら変でしょ?」と解説。

 「まだ10数本、出番待ちしている企画や作品があります」と語る岩井監督は「安定軌道に入ることが一番の苦手」と発言。才能とセンスを持った若手が台頭しやすくなった現状について「待ち望んでいた時代です。負けるかもしれないけれど、戦っていかなければならないですね」と力強い言葉で語っていた。

 『ヴァンパイア』は、映画『スワロウテイル』や『リリイ・シュシュのすべて』の岩井俊二監督が、8年ぶりに手掛けた長編映画。「死にたい少女」たちの血を求めてさまようヴァンパイアの切ない純愛を描く。(磯部正和)

『ヴァンパイア』は9月15日よりシネマライズほかにて全国順次公開


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