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父と息子がお互いを撮影し合いながら対話 異色イラン映画、釜山で上映

父と息子がお互いを撮影し合いながら対話 異色イラン映画、釜山で上映
モフセン・マフマルバフ監督と息子のメイサン・マフマルバフ

 『カンダハール』などで国際的な映画祭で称賛されてきたイランの名匠モフセン・マフマルバフ監督の最新作『ザ・ガーデナー(英題)/ The Gardener』が、釜山国際映画祭で上映され、出演した息子のメイサン・マフマルバフと共に会見を行った。今回の上映がワールドプレミアとなる本作は、マフマルバフ監督と息子のメイサンが、一人の庭師を通して世代の違う視点で世界の宗教などさまざまな問題について語り合う映画だ。

 映画の舞台となるイスラエルにあるハイファとは、約170年前にイランで創始されたバハイ教の総本山とされる場所。宗教をテーマにした理由について監督は、「多くの人が宗教のために戦っていると言いますが、宗教間ではなく人が人と戦っているのです。わたしは宗教を持っていません。人を信じているだけです。だからわたしは戦争の暗い側面を明かりで照らしたいのです」と語った。

 映画は父と息子がお互いを撮影し合いながら対話するユニークなスタイルとなっている。これはファンタジーであると同時に現実も想起させるためだという。「映画のコンセプトは人々の会話から生まれる違いを受け入れることです。しかし警察による尋問も会話であることに違いありません。革命に必要なものは最新の技術ではないのです」と語った。

 また、イラン映画について問われると、「イランではクオリティーを維持するには問題があります。だから海外で制作しているのです。そしていつもテロリストに狙われています。それはお互いに殺し合っているようなもの、鏡を見て撃ち合っているようなものなのです」と映画の中で象徴的に描かれる鏡のシーンについても言及した。

 続けて息子のメイサンは、「イラン映画が終わったとは思っていません。この映画には美しい植物を詩的に映し出しています。宗教による精神的な重圧の中で生まれた僕らの世代は宗教を肯定する方法を知りません。だからこのような美しい別の世界があると伝えることは、今だからこそとても大切だと感じています」と答えた。

 日本での映画祭でも上映予定となっている本作は、美しい映像を通して多くの人たちが世界の抱えている問題について感じ取る機会となっただろう。(芳井塔子)


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