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東日本大震災後を描いたドキュメンタリー、海外の反応に今後の課題見出す

東日本大震災後を描いたドキュメンタリー、海外の反応に今後の課題見出す
藤川佳三監督-ドバイにて - Photo:Harumi Nakayama

 第9回ドバイ国際映画祭にて、東日本大震災の後、宮城県の避難所に約6か月間密着したドキュメンタリー『石巻市立湊小学校避難所』が上映され、現地入りした藤川佳三監督が、同作について語った。

 本作は、ドキュメンタリー映画『大津波のあとに』を撮った知人・森元修一監督の映像に衝撃を受け、自身の目で確かめたいと2011年4月21日に現地に入った藤川監督が、避難所が閉鎖する同年10月11日までを記録した作品だ。連日やってくるボランティアや支援物資に対して本音をもらす主婦や、同じ教室で芽生えた70歳の愛ちゃんと小学生のゆきなちゃんの友情など、被災者に寄り添うようにカメラを向け、マスコミが報じないことを見つめた。

 上映にはドバイ在住の日本人をはじめ、多くの観客が会場に駆け付けた。賞賛する声の中には、「普通ならもっと混沌(こんとん)とした状態になっていてもおかしくないが、日本人が秩序を保って行動していることに感動した」というものもあり、藤川監督は、震災当初の、海外メディアがしきりに報じた内容と同じ感想が返ってきたことに戸惑ったという。

 また、藤川監督は「今回はガレキや、支援物資が整理されないままになっている所も撮ったが、テレビで観た人もいるだろうとひどい所はあえて入れなかった。でもそういう反応が出ると、もっと厳しい現実を入れた方が良かったのかもと思いますね。また亡くなった方がたくさんいるのに、そのことを描いていないのはなぜかと聞かれました。海外では、『描いていない=無視した』と捉えられることを知りました」と日本とは異なる反応を受け、今後の課題も得たようだ。

 藤川監督は現在も2か月に一度は石巻に通っているという。その一方で、映画では描き切れなかったことを書籍にすべく、執筆活動にもいそしんでいる。「避難所から仮設や借家暮らしに変わったわけですが、皆さん、あまり変化なく、ゆるやかに生活しているという印象を受けます。大きく復興が見えている状況ではないですからね。そんな中で僕にできるのは、今回の体験を記録に残すということしかない。現地の方との交流もできたので、今後も関心を持ち続けていきたいと思います」と語った。(取材・文:中山治美)

映画『石巻市立湊小学校避難所』は全国順次公開中


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