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『パトリオット・ゲーム』『ソルト』の巨匠フィリップ・ノイス監督が手掛けたニュース報道を描いた初期作品

『パトリオット・ゲーム』『ソルト』の巨匠フィリップ・ノイス監督が手掛けたニュース報道を描いた初期作品
フィリップ・ノイス監督

 映画『パトリオット・ゲーム』『ソルト』などでおなじみのオーストラリア出身のフィリップ・ノイス監督が、初期の作品『ニュース・フロント/時代を撮り続けた男たち』について、ニューヨークのリンカーン・センターで行われたイベントで語った。

 本作は、1948~1956年のオーストラリアを舞台に、フィルムからテレビへとニュース報道が移行した激動の時代を、ニュース・レポーターの兄レン(ビル・ハンター)と、アメリカに渡ったジャーナリストの弟フランク(ジェラルド・ケネディ)の視点で描き、現場主義の兄と、変化するニュースの世界に対応する弟が対照的につづられていく。

 まず、本作を作るきっかけについて「ジョナス・メカスなどのアメリカのアンダーグラウンド映画がオーストラリアで上映され、わずか10セントで鑑賞できたんだ。それらは目を見張らせる刺激的なものだった。あの年は、映画『メリー・ポピンズ』がもっともオーストラリアで成功した映画だったが、それよりも僕はアンダーグラウンド映画を約3ヶ月観て、それらに影響を受け、いつの間にか映画製作を始めていた。僕以外にもブルース・ベレスフォード、ジョージ・ミラー、ピーター・ウィアーなどが同じ時期に製作を始めていた」と答えた。

 ビル・ハンターが演じる主役レンは、他の人物が昇進や海外に赴任する中、一人こだわってオーストラリアの現場で撮影している。「この主人公レンは、僕の父親の世代によく居た人物だと思う。もっとも、父親を念頭に入れて書いたわけではないんだ。なぜなら、僕が参加した時はすでにプロデューサーのデヴィッド・エルフィックが企画し、脚本家のボブ・エリスが脚本を執筆していた。でも、ビル・ハンターをキャストしたことで、僕が脚本を改稿してもっと典型的なオーストラリアの男を描くことになったんだ」と明かした。

 映画内では、モノクロとカラーの両方で撮影されているが、「それは配給会社による判断で、個人的には全てモノクロで撮影したかったが、テレビ宣伝のためにカラーで撮影しなければ予算を出さないと言われたからだ。もっとも、この映画の時代設定の1948~1956年では、テレビがモノクロからカラーに変わっているため、映画内ではそれぞれの年代をセクションに分けて、モノクロで撮影したり、カラーで撮影したりと分けたんだ」と語った。さらに映画内ではオーストラリア共産党の非合法化が国民投票によって否決されたことや、1955年のハンターヴァレーの大洪水などの実際起きた出来事も、当時のアーカイブ映像と再現シーンを交錯させて撮影している点も魅力だ。

 映画は、1978年にオーストラリア映画協会賞で最優秀作品賞に選ばれている作品で、フィリップ・ノイスの今日の活躍の礎となった映画として注目すべき作品かもしれない。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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