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自主映画界に喝!観客は関係者ばかりで褒め合っている閉鎖的な風潮

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万田邦敏監督からはキビしい愛のムチが
万田邦敏監督からはキビしい愛のムチが

 大阪での映像制作活動の促進と人材育成を目的とした第9回シネアスト・オーガニゼーション大阪(CO2)の授賞式がこのほど、大阪・第七藝術劇場で行われた。だが、最高賞にあたるCO2作品賞の該当はなし。選考委員の万田邦敏監督からは、審査対象となった3作品の関係者に愛のムチが飛んだ。

 CO2は新人映像作家から企画を募集し、書類選考や面接を経て、3監督に助成金各60万円を与えて長編映画の制作を支援する。過去には石井裕也、横浜聡子らを輩出し、今泉かおり監督『聴こえてる、ふりをしただけ』は第62回ベルリン国際映画祭に出品されるなど実績を積んできた。

 今年は65本の応募作の中から、鈴木洋平監督『』、山田剛志監督『GET BACK NIGHT』、野口雄也監督『壁の中の子供達』が選ばれた。万田監督は準備から約4か月と短期間で完成させたことをたたえる一方、「各作品ともアイデアは観客を巻き込むような展開はなく、スタッフ・監督共に力がなかった。反省材料として持ち帰って欲しい」と叱咤激励した。

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 前日行われたシンポジウムでも議題に上がったが、昨今の自主映画界は劇場公開される機会は増えたが、観客は関係者ばかりで褒め合っている閉鎖的な風潮がある。万田監督は「作って自己完結するのではなく、もっと外の世界へ開いて欲しい」と観客を意識して作ることの大切さを訴えた。

 これで2年続けてCO2作品賞は該当なしとなった。CO2は大阪市などで組織する大阪映像文化振興事業実行委員会が主催しているが、ビデオカメラの普及で安価で映画が制作でき、大学で映像学部が急増するなど自主映画界を取り巻く環境が激変している今、人生発掘・育成に何が必要なのか? 今回の結果は、助成事業の在り方を巡って再検討する良い機会となりそうだ。 (取材・文:中山治美)

受賞結果は以下の通り。

【CO2作品賞】【CO2俳優賞】
該当なし

【CO2選考委員特別賞】
『壁の中の子供達』 野口雄也監督

【Panasonic技術賞】
撮影監督 高木風太 『壁の中の子供達』

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