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韓国で上映禁止となった“韓国版ピーポくん”を主人公にした問題作とは?

韓国で上映禁止となった“韓国版ピーポくん”を主人公にした問題作とは?
キム・ソン監督

 韓国で上映禁止となった問題作『ポドリ君の家族残酷史X 韓国の夜と霧』が29日、渋谷のシアター・イメージフォーラムで初日を迎え、キム・ソン監督が上映禁止となった経緯を解説した。

 主人公ポドリ君は、韓国の著名な漫画家イ・ヒョンセ氏が生み出した韓国警察のマスコットキャラクター(現在は使用されていない)。本作は、韓国版“ピーポくん”ともいえるポドリくんが、父親のイ・ミョンバク元大統領に対する愛情を示すため、放水銃で暴徒を鎮圧し、秩序を乱すネズミたちを駆除すべく破壊活動に精を出すさまを描く。

 「イ・ミョンバクは文化的表現によって自分が批判されることを知っていた」と切り出したキム・ソン監督によると、本作が生まれた2010年当時は、経済政策を重視したイ・ミョンバク大統領が、文化政策および労働者を抑圧。彼の政策に反対する人たちに弾圧を加えようとしたという時代背景があったのだとか。

 ポドリ君を主人公にした理由については「イ・ヒョンセは、パク・クネ大統領、イ・ミョンバクなどを支援している保守派の代表格。(狂牛病の可能性のある米国産牛肉輸入反対デモを武力で鎮圧するなど)韓国警察は大統領の息子といえるから、ポドリ君を主人公に選んだ」と語る。もちろん本作のためにキャラクターの使用許可が下りるはずもなく、「もし韓国でこの映画が公開されたら、彼はわたしを裁判にかけるかもしれないね」と不敵に笑った。

 ポドリ君の母親はパク・クネ大統領という設定から、映像物等級委員会(韓国の映倫)は本作を「制限付き上映可」に指定。これは「制限上映館ならば上映可」という意味だが、韓国には「制限上映館」が存在しないため、実質的な上映禁止にあたる。しかし、キム・ソン監督は韓国での上映禁止処分に対する裁判で勝訴を収める。「今まで裁判で負けたことがなかった映像物等級委員会がこの裁判で初めて負けて、みんなが驚いていました」との報告に、会場からは大きな拍手が沸き起こった。

 とはいえ上映禁止処分が解かれるかどうかは不明で、くしくも韓国では鬼才キム・ギドク監督の最新作『メビウス(原題) / Moebius』が近親相姦(そうかん)的描写により「制限付き上映可」に指定されたばかり。表現の自由を求めて戦うキム・ソン監督は「これは独立系の映画界が一緒になって戦うべき問題。わたしは上映禁止撤廃のために戦うつもりだ」と決意を語った。(取材・文:壬生智裕)

映画『ポドリ君の家族残酷史X 韓国の夜と霧』はシアター・イメージフォーラムにて公開中


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