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監督が明かすサンダンス映画祭で審査員賞と観客賞のダブル受賞を獲得した話題の新作とは?

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ライアン・クーグラー監督
ライアン・クーグラー監督

 今年のサンダンス映画祭で審査員賞と観客賞のダブル受賞を果たした話題の新作『フルーツベール・ステーション(原題) / Fruitvale Station』について、ライアン・クーグラー監督が語った。

 2009年の元旦にカリフォルニア州オークランドの地下鉄内での喧嘩によって警官たちに取り押さえられた黒人オスカー・グラント(マイケル・B・ジョーダン)は、無抵抗のまま警官に射殺され、その事件を携帯で録画した映像が全米に流れ、論争を巻き起こした。同作は、そのオスカーの最後の1日に迫った作品だ。映画『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』のオクタヴィア・スペンサーが、オスカーの母親役に挑戦している。

 フォレスト・ウィッテカーがプロデューサーとして参加している。「僕がUSCの大学院に通っていた時、フォレストのプロダクションが指導できる若いフィルムメイカーを探していて、その際僕の名前が挙がり彼に会ったんだ。どんな映画を製作したいか聞かれ、この作品を含め幾つかの作品を挙げたが、彼はこの作品に興味を示してくれて、2011年の春から製作が始まった」。

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 オスカー・グラントと監督の共通点は「僕自身もオスカーと同じカリフォルニア州のベイエリアで生まれ育ち、この事件のあった場所になじみがあった。僕はオスカーと同い年で、彼の友人たちは僕の友人たちに環境が似ていたため、まるで自分の周りで起きた事件のような気持ちで、当時ニュースを見ていた。警官の誤射だけが注目されたが、オスカー自身は過去に犯罪を犯した経験があり、それと彼を愛した友人や家族を含め、観客には両方の観点から見つめてほしかった」。

 オスカーの友人や家族との接触は「法廷での詳細は一般公開されていて、それを基に脚本を書き始めた時は法廷の最中で、まだ家族や友人と接触できなかった。だが、フォレストがプロデューサーとして加わり、オスカーの人生に関して映画化権を獲得してから、彼らと接触できたんだ。そこで、オスカーの妻ソフィア、娘タチアナとの関係を知ることができ、さらにオスカーが(これまでの人生を悔い)家族の面倒をしっかり見ようとしていたこともわかった」。

 映画は、事件の警察の対応を問題提起するのではなく、家族愛を通して人のつながりを痛切に訴えかけている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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