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『ベルエポック』でオスカーを獲得したフェルナンド・トルエバ監督が明かす、アーティストとモデルの関係とは?

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主演のアイーダ・フォルチ(左)とフェルナンド・トルエバ監督
主演のアイーダ・フォルチ(左)とフェルナンド・トルエバ監督

 スペインのゴヤ賞で13部門にノミネートされた話題作『ジ・アーティスト・アンド・ザ・モデル(英題) / The Artist and the Model』について、フェルナンド・トルエバ監督と主演女優アイーダ・フォルチが語った。

 同作は、第2次世界大戦下の南フランスで妻と暮らす老彫刻家マルク・クロス(ジャン・ロシュフォール)は、戦争に嫌気がさし、創作活動も終わりを迎えようとしていたある日、スペインから政治亡命してきた女性(アイーダ・フォルチ)を自宅にかくまい、彫刻のモデルにしたことから巻き起こるさまざまな出来事を描いた秀作。トルエバ監督は1992年の映画『ベルエポック』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞し、主演は映画『髪結いの亭主』のジャン・ロシュフォールが挑戦した。

 彫刻のモデルを描くうえで、官能的なアプローチを試みている。「個人的に官能的なことやエロティシズムに興味を持っていて、ポルノでさえもある部分は好きだ。ただ、官能的なものやエロティシズムは、かなり昔のアート作品からあり、古代インドや中国でもエロスを感じる作品はあった。それらがアートとつながり、 あくまで真実で自然なものを描いているのならば、アーティストは官能的な題材を扱うことを避ける必要はない」とトルエバ監督が語った。

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 映画『ザ・シャンハイ・スペル(英題) / The Shanghai Spell』でトルエバ監督とタッグを組んだフォルチは「14歳の時トルエバ作品に出演後、19歳の時に彼から電話があって、フランス語を話せるか?と聞かれたの。話せなかったわたしは、これを映画の企画だと思い、2週間後から6か月間フランスでフランス語を学んだ」と明かしたが、脚本はそれから4年後に渡されたそうだ。

 ジャン・ロシュフォールについてトルエバ監督は「彼を念頭に入れて脚本を書いたんだ。彼は演技が上手く、思慮深く、さらに繊細で優しくて、人間的でもある。さまざまな要素を持ち合わせていて、彼に出演を断られたら、誰に渡せばよいかわからなかった」と評価するほど、ロシュフォールは熱演している。

 最後に、映画内でレンブラントの絵を主役二人が鑑賞するシーンは、芸術家デヴィッド・ホックニーが、インタビューでレンブラントの絵について語ったことに影響されたそうだ。映画は、アーティストとモデルの関係こそが、アート作品の根本と感じさせてくれる作品だ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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